◎ウクライナ侵攻以来、ロシア大統領府は国内の反対勢力を叩きのめし、反政権派メディアを沈黙させ、それに関与した者を投獄している。
2021年4月28日/ロシア、サンクトペテルブルク、ナワリヌイ氏のイラスト(Ivan Petrov/AP通信)

ロシア野党指導者ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏は20日、当局からテロを助長した罪で訴追され、禁固30年を宣告される可能性があると明らかにした。

ナワリヌイ氏は2年前、シベリアからモスクワに向かう飛行機内で意識を失い、ベルリンの医療機関に緊急搬送された。

検査の結果、同氏の体内から旧ソ連が開発したとされる神経毒「ノビチョク」の痕跡が検出され、ロシア工作員の攻撃であることが示された。

同氏は詐欺、法廷侮辱、仮釈放違反で実刑判決を受け、収監されている。同氏はいずれの容疑もロシア当局の「でっち上げ」と非難し、欧米諸国もそれに追随しロシアに制裁を科している。

ナワリヌイ氏は20日、弁護士を通じてツイッターに声明を投稿した。「私は過激派の宣伝、テロリズムの呼びかけ、過激派への資金提供、ナチズムの推進などの罪に問われるという通知を受けました...」

ナワリヌイ氏はこれらの容疑で有罪が確定すれば、禁固30年を言い渡される可能性があると説明した。

ナワリヌイ氏の活動を支援する団体によると、この「濡れ衣」は同氏とその関係者が開設したユーチューブチャンネルに関連するものだという。

このユーチューブチャンネルはプーチン(Vladimir Putin)大統領を含む政府高官が関与したとされる不正などを暴露している。

ウクライナ侵攻以来、ロシア大統領府は国内の反対勢力を叩きのめし、反政権派メディアを沈黙させ、それに関与した者を投獄している。

ナワリヌイ氏は戦争に反対し、プーチン氏を「愚か者」「裸の王様」「嘘つきの無能」などと非難してきた。

ナワリヌイ氏を支援する団体は今月初め、プーチン氏の予備役部分動員令に反対するため、事務所(オンラインとみられる)を開設すると発表した。

ナワリヌイ氏は声明の中で、「私は裏社会の天才だ。モリアーティ教授も私には敵わない」と自らをシャーロック・ホームズの宿敵になぞらえ、皮肉った。

2011年の大規模な反プーチン抗議デモで一躍有名になったナワリヌイ氏は、政府高官の腐敗を暴露する巨大なソーシャルメディア作戦を展開している。

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