◎野党・民主党は同党の議員が誹謗中傷の疑いで実刑判決を受けたことに抗議し、国会前でたき火を決行。支持者に抗議デモを行うよう呼びかけた。
2024年9月30日/アルバニア、首都ティラナの国会入り口(AP通信)

アルバニアの野党議員が9月30日、国会前で椅子を燃やし、議長や政府閣僚に物を投げつけ、マイクをテーブルから突き落とし、ラマ(Edi Rama)首相に退陣を要求した。

野党・民主党は同党の議員が誹謗中傷の疑いで実刑判決を受けたことに抗議し、国会前でたき火を決行。支持者に抗議デモを行うよう呼びかけた。

また民主党議員は与党・社会党が司法を含む三権を支配下に置いていると主張。ラマ氏を独裁者と呼び、引退を勧告した。「さよなら、ラマ」

地元メディアによると、民主党は週末に首都ティラナで抗議デモを行う予定だという。

実刑判決を受けた民主党のサリアンジ(Ervin Salianji)は2018年、当時の内相に辞任を要求。その後、サリアンジが議会に提出したファイルと音声データが偽物であることが確認され、サリアンジは国外に逃亡した。

紆余曲折の末、サリアンジは名誉棄損で起訴され、先週、控訴裁判所で懲役1年を言い渡された。地元メディアによると、サリアンジは上告する見込み。

社会党は議場の椅子が国会前で燃やされたことについて、「とんでもない蛮行であり、市民、法律、民主国家を軽視している」と非難した。

一方、不動産取引に関する不正疑惑で起訴され、現在自宅軟禁下にあるベリシャ(Sali Berisha)元首相は30日、民主党を称賛し、全野党に対し、「連携して来年の総選挙で政権を奪取しよう」と呼びかけた。

またペリシャ氏は「野党による挙国一致内閣、自由選挙、完璧だ」と述べた。

検察はペリシャ氏が職権を乱用して義理の息子の土地購入を後押ししたと告発。有罪となった場合、禁固12年以下に処される可能性がある。

米国務省は2021年、ベリシャ政権時代(2005年~2013年)に発覚した数多くの汚職を非難し、ベリシャ氏とその関係者を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定。イギリスも同じ措置を取っている。

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