◎デモ隊は数々の汚職で告発されているペリシャ元首相との連帯を表明。ラマ首相を「独裁者」「米国の奴隷」などと呼び、辞任を要求した。
アルバニアの野党支持者数千人が20日、首都ティラナでラマ政権に抗議する集会を開き、石や発煙筒を機動隊に投げつけた。
地元メディアによると、このデモによるケガ人と逮捕者は確認されていないという。
数々の汚職で告発されているベリシャ(Sali Berisha)元首相を支持する野党は昨年10月以来、ラマ(Edi Rama)首相の汚職疑惑を調査する委員会の設置を与党・社会党が拒否したことに抗議するデモを主催してきた。
デモ隊はペリシャ被告との連帯を表明。ラマ氏を「独裁者」「米国の奴隷」などと呼び、辞任を要求した。
ペリシャ被告は昨年10月、義理の息子がティラナで民間人と国防省が所有する土地を購入する際、便宜を図ったとして起訴された。義理の息子はこの土地にアパートを17棟建設する予定だった。
ベリシャ被告と義理の息子はこの告発をラマ政権の「嫌がらせ」と呼び、無罪を主張している。
検察はペリシャ被告が職権を乱用して義理の息子の土地購入を後押ししたと告発。有罪となった場合は禁固12年以下に処される可能性がある。
ペリシャ被告は自宅から演説。その様子が集会のスクリーンに生配信された。「みなさんありがとう。私はラマ政権の弾圧に屈しず、戦い続けると誓います...」
地元メディアによると、一部の野党議員はデモに参加せず、ペリシャ氏が個人的な利益のために支持者を増やそうとしていると非難したという。
米国務省は2021年、ベリシャ政権時代(2005年~2013年)に発覚した数多くの汚職を非難し、ベリシャ氏とその関係者を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定。イギリスも同じ措置を取っている。