イエメン・フーシ派、紅海の要衝ペリム島を掌握、バブ・エル・マンデブ海峡支配へ
イエメン政府軍は奪還作戦に向けて兵器や航空戦力を投入する方針を示しており、今後、紅海沿岸で戦闘がさらに激化する可能性がある。
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イエメンの親イラン武装組織フーシ派が11日、紅海とアデン湾を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡の要衝ペリム島を掌握した。イエメン政府関係者が明らかにしたもので、サウジアラビアの支援を受けるイエメン政府軍は島から撤退したとされる。フーシ派は同時に、島に面する本土側の港町ドゥバブも掌握したとされ、紅海沿岸で支配地域を急速に拡大している。
バブ・エル・マンデブ海峡は欧州とアジアを結ぶ重要な海上交通路の一つで、石油などのエネルギー輸送にも利用されている。特に現在は、米国とイランの対立によってペルシャ湾のホルムズ海峡を通る輸送が大きく制限されており、サウジは紅海ルートを代替経路として利用している。そのためフーシ派がバブ・エル・マンデブ海峡を支配すれば、世界のエネルギー供給に大きな影響を与える可能性がある。
今回の進軍はフーシ派がこれまで主に支配してきたイエメン北部から、紅海沿岸の戦略拠点へ勢力を広げる動きの一環でもある。フーシ派は9月10日には紅海沿岸の港湾都市モカを制圧したほか、ハニシュ諸島などの島々も掌握したとされる。
イエメン政府軍は奪還作戦に向けて兵器や航空戦力を投入する方針を示しており、今後、紅海沿岸で戦闘がさらに激化する可能性がある。
専門家はイランの関与も指摘している。ロイター通信によると、イラン革命防衛隊(IRGC)がフーシ派の進軍を直接指揮したとする情報があり、イラン側はフーシ派に対してサウジへの攻撃を強化するよう促し、資金や武器、軍事要員を提供することを約束したという。一方、イラン政府はフーシ派を同盟勢力と位置付けながらも、軍事作戦を指揮する立場にないと主張している。
緊張の高まりを受け、サウジのサルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)は10日、トランプ(Donald Trump)米大統領に少なくとも2度電話し、米軍によるフーシ派への攻撃を要請したとされる。しかし、米国は現時点で直接的な軍事介入には踏み切らず、情報共有や標的情報の提供などにとどめる方針だという。
石油価格は週末にかけて1バレル100ドルを上回る水準となっており、ホルムズ海峡に続いてバブ・エル・マンデブ海峡まで不安定化すれば、世界のエネルギー市場と海運にさらなる混乱を招く恐れがある。
