チャールズ英国王、奴隷貿易の歴史に「深い悲しみ」表明、英連邦首脳会議で演説、正式謝罪や賠償には言及せず

英国王室は歴史的に奴隷貿易と関係を持ち、王族や王室関係者が奴隷貿易事業を支援した過去がある。
2026年11月3日/カリブ海の島国アンティグア・バーブーダ、イギリスに奴隷制の賠償を求める人々(AP通信)

イギリスのチャールズ国王(King Charles III)は3日、カリブ海の島国アンティグア・バーブーダで開幕した英連邦首脳会議(CHOGM)で演説し、大西洋奴隷貿易について「歴史の恥ずべき一章」と表現し、深い恐怖と個人的な悲しみを感じていると述べた。奴隷貿易の歴史が現在もカリブ海諸国や英連邦加盟国に影を落としていることを認めた。

国王は「過去の出来事を変えることはできないが、歴史から学ぶことはできる」と強調した。また、奴隷貿易の廃止に英国海軍が重要な役割を果たしたことにも触れ、過去の不正義を克服するため、教育機会の拡大、雇用創出、英連邦域内の貿易促進、気候変動への対応などを進める必要性を訴えた。ただし、英国としての正式な謝罪や賠償金の支払いには踏み込まなかった。

演説に先立ち、会場周辺では英国に謝罪と賠償を求める活動家らが抗議活動を行った。参加者は「過ちを認め、修復に取り組め」などと書かれたプラカードを掲げた。AP通信の取材に応じた活動家の女性は、奴隷制度が終わった後も植民地主義の影響は社会や人々の意識に残っていると指摘し、謝罪は歴史的な不正義を修復する出発点と強調した。

英国王室は歴史的に奴隷貿易と関係を持ち、王族や王室関係者が奴隷貿易事業を支援した過去がある。このため、カリブ海諸国では英国に対する歴史的責任の追及が続いている。

今回の会議には英連邦56カ国の首脳らが参加。英国のバーナム(Andy Burnham)首相は、正式謝罪には前向きな姿勢を示す一方、金銭賠償には否定的で、貧困国の債務再編などを提案している。

奴隷貿易の歴史認識と補償問題は、英国と旧植民地諸国の関係を左右する外交課題となっている。

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