南アジアで大気汚染が急激に悪化、ラホールが世界最悪、デリーも深刻なスモッグで規制強化
冬季の気象条件と人為的な排出が重なる南アジアでは、深刻な大気汚染が毎年繰り返されている。
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インド北部と隣接するパキスタンで3日、大気汚染が急激に悪化した。冬を前に発生するスモッグによってパキスタン東部の都市ラホールが世界で最も大気汚染の深刻な都市となり、インドの首都ニューデリーでも有害な煙霧が広がった。各国当局は健康被害を抑えるため、排出規制や交通対策を強化している。
スイスの大気質監視会社IQAirによると、3日早朝のラホールの大気質指数(AQI)は447に達した。健康への影響がほとんどないとされる基準値50を大幅に上回る水準だ。肺の奥まで入り込むPM2.5(微小粒子状物質)の濃度は、世界保健機関(WHO)が定める年間曝露指針値の60倍に達した。気温の低下と風の弱まりによって汚染物質が地表付近に滞留したことが主な原因とされる。
一方、デリーのAQIはIQAirの測定で215だった。ただし、インド中央汚染管理委員会(CPCB)は332と評価し、空気の状態を「非常に悪い」と分類した。両者の数値に差があるのは、指数の算出方法や評価基準が異なるためだ。
デリー当局は11月2日から段階的な大気汚染対策を開始した。排出ガスの多い車両の走行や建設活動を制限し、飲食店での石炭や薪の使用も規制する一方、公共交通機関の運行を拡充している。パキスタン政府も環境基準に違反するれんが窯への取り締まりを強化し、農家に対して収穫後の野焼きを控えるよう求めている。
さらに、インドでは11月8日にヒンズー教の祭典ディワリを控え、花火による汚染の悪化も懸念されている。最高裁判所は週末の花火について、汚染の少ない製品に限定し、使用時間を各日3時間に制限することを認めた。
冬季の気象条件と人為的な排出が重なる南アジアでは、深刻な大気汚染が毎年繰り返されている。呼吸器疾患や心臓病のリスクを抑えるため、短期的な規制だけでなく、交通、農業、産業分野を横断した継続的な対策が課題となっている。
