イエメンで飢餓への懸念拡大、国連WFPが数十万人規模の食料支援へ
。国連によると、今回の戦闘で約700人が死亡、数千人が負傷したほか、12万人以上が新たに避難を余儀なくされた。さらに数千人が船で紅海を渡り、アフリカ・ジブチへ逃れている。

国連世界食糧計画(WFP)は21日、戦闘が激化するイエメンで食料支援を拡大すると明らかにした。イエメンでは親イラン武装組織フーシ派が今月、紅海沿岸部を制圧し、10万人規模の住民が避難を余儀なくされている。国連によると、今回の戦闘で約700人が死亡、数千人が負傷したほか、12万人以上が新たに避難を余儀なくされた。さらに数千人が船で紅海を渡り、アフリカ・ジブチへ逃れている。
WFPのスカウ(Carl Skau)事務局長代行はニューヨークの国連総会に合わせてロイター通信の取材に応じ、これまで約6万人に温かい食事や食料を提供したと説明した。今後は支援物資の供給体制を強化し、避難民らへの支援に備えるとしている。
背景には、今回の戦闘が始まる前から深刻化していた食料危機がある。WFPによると、イエメンでは1800万人以上、人口のおよそ半数が急性の食料不安に直面している。また、5歳未満の子ども約220万人が急性栄養失調の状態にある。避難民キャンプも収容能力を超え、食料や医療サービスが不足しているという。
イエメンは食料のおよそ90%を輸入に依存しているため、港湾や空港の機能停止は食料供給に直接影響する。フーシ派による紅海沿岸の制圧は、こうした物流網への新たな圧力となっている。紅海周辺の戦闘は海上輸送にも影響を及ぼし、地域のエネルギー供給や国際的な原油価格への懸念も強まっている。
一方、WFP自身も活動上の制約を抱えている。フーシ派の支配地域では国連施設が占拠されたほか、国連職員も拘束されるなど、支援活動が困難になっている。
スカウ氏はロイターに対し、WFPが深刻な資金不足にも直面し、命を救うための支援を削減せざるを得ない状況だとして、国際社会に追加資金の拠出を呼びかけた。
