◎サウジはこの数カ月で、イスラエルの宿敵イランやシリアのアサド(Bashar al-Assad)大統領との関係を回復してきた。
2023年5月30日/ブラジル、南米サミット会場に到着したベネズエラのマドゥロ大統領(Andre Penner/AP通信)

サウジアラビアの港湾都市ジッダにベネズエラのマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が到着した。サウジの国営テレビが5日に報じた。

それによると、マドゥロ氏は4日遅くに到着し、政府関係者の出迎えを受けたという。

世界最大の石油輸出国サウジは米国と対立する国との外交を活発化させている。

サウジは今週末、首都リヤドでイスラム過激派対策に関する国際会議を主催する予定であり、ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官が共同議長を務めることになっている。

サウジと米国の関係は近年ギクシャクしている。

サウジはこの数カ月で、イスラエルの宿敵イランやシリアのアサド(Bashar al-Assad)大統領との関係を回復してきた。

サウジは先月開催されたアラブ連盟(Arab League)首脳会議にウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領を招き、その数日後には欧米の制裁下にあるロシア政府高官と協議している。

アナリストはサウジ政府の外交政策について、「国益最優先」と指摘。湾岸地域の安定と大規模な開発プロジェクトのために国際的な投資を求めるサウジのイメージ向上を目指し、中立主義を推し進めている。

一方、ベネズエラの経済はマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりで急降下し、2021年のGDPは10年前の2割以下に落ち込んだ。

マドゥロ氏は2018年に再選を主張したが、野党はそれを認めず、暫定政府を創設してマドゥロ政権に立ち向かったものの、変革に向けた協議この2年、ほとんど前進しなかった。

西側政府は野党を支持し、マドゥロ政権に重い制裁を科し、それが変化を呼び起こすと期待した。しかし、マドゥロ氏はロシア、トルコ、イランなどの支援を受け、制裁に抵抗した。

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