◎ヨルダンのドローン攻撃で死亡した3人の陸軍予備役の帰還式に出席したバイデン氏はさらなる行動の開始を示唆した。
米ホワイトハウス、CIA長官の報告を受けるバイデン大統領(The White House .gov)

イラク軍は2日、同国とシリアの国境付近の町やその他の地域が軍機による空爆を受けていると発表した。

イラク軍の報道官は声明で、「この空爆は我が国の主権を侵害するものであり、中東を不測の事態に引きずり込む可能性がある」と述べた。

バイデン(Joe Biden)大統領はシリアとイラクに展開する親イラン勢力への攻撃計画を承認。米中央軍は2日、計画に基づき、シリア・イラクのイラン民兵拠点に対する攻撃を開始したと明らかにした。

オースティン(Lloyd Austin)国防長官は声明で、「バイデン大統領の指示により、イラクとシリアの7つの施設を空爆した」と述べた。

またオースティン氏は、「これは始まりに過ぎず、バイデン大統領はイラン革命防衛隊(IRGC)と関連民兵の米軍・連合軍に対する攻撃の責任を追及するための行動を指示した。これは我々が選んだ時と場所で実施される」と強調した。

イラン政府の支援を受ける武装勢力は今週、シリア国境に近いヨルダンの米軍前哨基地をドローンで空爆。米兵3人が死亡、40人近くが負傷した

オースティン氏はイスラエル・ハマス紛争が中東を巻き込む戦争に発展することを望んでいないと述べる一方、「米国への攻撃は一切容認せず、厳しく対応する」とした。

「我々は米国、米国民の命、そして米国の利益を守るために必要なあらゆる行動を取る」

ヨルダンのドローン攻撃で死亡した3人の陸軍予備役の帰還式に出席したバイデン氏はさらなる行動の開始を示唆した。

バイデン氏は声明で攻撃が始まったと認め、「継続する」と強調した。

「今日の午後、私の指示により、米軍はイラク・シリアのIRGCと関連民兵を攻撃した。今後も、我々が選択した場所への攻撃を継続する」

そして最後に、「米国は中東でも世界のどこでも紛争を求めない。しかし、我々に危害を加えようとする全ての人に伝えておきたい。 もし米国民に危害を加えるなら、それに応じる」と述べた。

AP通信は米政府高官の話しとして、「米中央軍はシリアとイラクの拠点80カ所以上を空爆した」と伝えている。

イギリスのNGOシリア人権監視団は2日、アサド政権とつながりのあるイラン民兵の複数の拠点で爆発が確認され、数十人が死傷したという情報があると明らかにした。

共和党のタカ派はイラン領内を攻撃するようバイデン政権に圧力をかけている。

バイデン氏は報復を約束したものの、イラン領内への攻撃はイスラエル・ハマス紛争に端を発する中東の情勢悪化に拍車をかける可能性が高いため、控えるとみられる。

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