SHARE:

オーストラリアで2例目の鳥インフル感染、野鳥から検出、政府が監視体制強化

今回確認されたのは南オーストラリア州の海岸で発見されたカモメの一種で、検査の結果H5N1への感染が判明した。
鳥インフルエンザのサンプルとオーストラリア国旗(ロイター通信)

オーストラリア政府は24日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の監視体制と検査を大幅に強化すると発表した。南オーストラリア州で新たな感染事例が報告され、鳥インフルが確認された州が2州目となったことを受けた措置である。これにより、これまで本土での感染が確認されていなかったオーストラリアは、世界的に拡大するH5N1への対応を本格化させることになった。

今回確認されたのは南オーストラリア州の海岸で発見されたカモメの一種で、検査の結果H5N1への感染が判明した。数日前には西オーストラリア州でも同様の感染例が明らかになり、政府は渡り鳥を介したウイルス流入が複数地点で発生している可能性が高いとみている。

コリンズ(Julie Collins)農業相は記者会見で、「世界的な感染拡大を考えれば、他の渡り鳥がオーストラリア沿岸に到達することは十分あり得る」と述べた。その上で、沿岸部や野生動物の生息地を中心に監視活動を強化し、検査対象地域を拡大すると明らかにした。政府はドローンを活用した調査や海鳥、アシカなど野生動物の監視も進める方針である。

現時点で感染が確認されているのは野生の海鳥のみで、養鶏場や商業用家禽への感染は報告されていない。農業省は国内の鶏肉や卵の安全性に問題はなく、ヒトへの感染リスクも低いと説明している。一方で、過去に北米や欧州でH5N1が養鶏産業へ深刻な打撃を与えた経緯があることから、当局は警戒を緩めていない。

政府はこれまでにも農場の防疫対策強化、緊急対応訓練の実施、野生動物の監視体制整備などを進めてきた。西オーストラリア州の大手養鶏企業は既に施設の出入りを厳しく制限する措置を導入し、感染防止に万全を期している。

感染拡大は貿易面にも影響を及ぼしている。オーストラリア産鶏肉の主要輸出先であるパプアニューギニアは一時的に同国からの家禽製品輸入を停止した。その後、一部制限を緩和したものの、感染状況によっては輸出産業に打撃を与える可能性がある。2023年の対パプアニューギニア家禽輸出額は4400万豪ドルに上り、業界関係者が事態を注視している。

オーストラリアは2025年に南極海のハード島でH5N1を確認したものの、本土での感染例はなかった。今回の事例は同国のバイオセキュリティ体制にとって大きな試練となる。政府は「現段階では封じ込め可能な状況にある」としながらも、さらなる感染例が見つかれば対応レベルを引き上げる考えを示している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします