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米国、NATO同盟国トルコへのジェットエンジン販売を進める方針=報道

対象となるのは、トルコが開発を進めている国産戦闘機KAAN(カーン)向けのエンジン供給である。
トランプ米大統領(左)とトルコのエルドアン大統領(ロイター通信)

米国政府がトルコに対する戦闘機エンジンの輸出計画を前進させる方針を固めたことが分かった。ロイター通信が24日に報じた。それによると、これはトルコの首都アンカラで来月予定されているNATOサミットを前に、トルコとの関係改善を図るもので、両国間の防衛協力強化に向けた重要な一歩となる見通しだ。

対象となるのは、トルコが開発を進めている国産戦闘機KAAN(カーン)向けのエンジン供給である。トルコは長年にわたり防衛産業の自立化を国家戦略として掲げてきたが、高性能戦闘機用エンジンの国産化が大きな課題となっている。今回の輸出承認が実現すれば、KAAN計画の開発スケジュールを大幅に前進させる可能性がある。

米国とトルコの関係は近年、ロシア製地対空ミサイルシステムS400の導入問題をめぐって悪化していた。米政府は2019年、トルコがS400を購入したことを受け、最新鋭戦闘機F35共同開発計画からトルコを除外したほか、制裁措置も発動した。この結果、防衛協力は大きく停滞し、両国間には不信感が広がっていた。

しかし、近年は関係改善の動きが見られる。トルコはロシアとウクライナの仲介役として外交的な存在感を高める一方、NATO加盟国として黒海地域の安全保障にも重要な役割を果たしている。さらに、スウェーデンのNATO加盟問題をめぐる交渉でも最終的に加盟を承認し、西側との協調姿勢を示した。こうした背景から、米政府内ではトルコとの安全保障協力を再強化する必要性が高まっていた。

今回のエンジン輸出はトルコによるF16戦闘機近代化計画や新規導入計画と並び、防衛分野での関係正常化を象徴する案件と位置付けられている。ロイターによると、正式な輸出手続きには議会承認など複数の段階が残されているものの、前向きな調整が進んでいるという。

一方で、米国内には慎重論も根強い。トルコ国内の人権問題や民主主義の後退に対する懸念に加え、同国がロシアとの経済・エネルギー関係を維持していることを問題視する議員も少なくない。そのため、輸出計画が今後の議会審議で議論の対象となる可能性がある。

それでも、ウクライナ戦争の長期化や中東情勢の不安定化を背景に、NATOの結束強化は米国にとって重要な課題となっている。地理的に欧州、中東、黒海地域を結ぶ要衝に位置するトルコは、同盟全体の安全保障戦略において欠かせない存在である。今回の戦闘機エンジン輸出が実現すれば、両国関係の雪解けを象徴する出来事となるだけでなく、NATO内部の協力体制強化にも大きな影響を与える可能性がある。

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