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米軍、イランに向かっていたタンカーを攻撃、ホルムズ逆封鎖続く

今回の措置はトランプ政権が進める対イラン圧力政策の一環と位置付けられている。
ホルムズ海峡封鎖のイメージ(Getty Images)

米軍がイランに向かって航行していたタンカーにヘルファイア・ミサイルを発射し、航行不能にしたことが明らかになった。米国は現在、イランに対する海上逆封鎖を継続しており、今回の措置は封鎖違反を阻止するための軍事行動として実施された。中東情勢が緊迫する中、米国とイランの対立は海上交通路にも及び、地域の安全保障や世界経済への影響が懸念されている。

米中央軍(CENTCOM)の2日の声明によると、攻撃を受けた船舶はイランへ向かっていたタンカーで、米軍は事前に複数回の警告を発していた。しかし、船舶側が進路変更や停船命令に応じなかったため、米軍機がヘルファイア・ミサイルを発射し、機関部を攻撃したという。ミサイルはエンジン部分に命中し、船舶は航行能力を失った。CENTCOMはケガ人の有無などについて詳細を公表していないが、目的は船舶の破壊ではなく航行停止だったとしている。

今回の措置はトランプ政権が進める対イラン圧力政策の一環と位置付けられている。米国はイランとの和平交渉を有利に進めるため、イランの港湾や海上物流網に対する封鎖を強化している。米軍は5月にもイラン籍タンカー3隻を相次いで攻撃し、いずれもイランへの航行を阻止したと発表していた。

背景には、2月末に始まった米イスラエルとイランの軍事衝突がある。戦闘はその後も断続的に続き、世界有数のエネルギー輸送路であるホルムズ海峡周辺で軍事的緊張が高まっている。イランは海峡周辺での影響力を維持、米国は航行の自由確保を理由に軍事行動を強化している。双方の対立は海上封鎖や船舶攻撃へと発展し、国際海運に深刻な影響を及ぼしている。

こうした状況の中で、イランは米国による船舶攻撃を主権侵害・国際法違反と非難している。過去には米軍によるタンカー攻撃の後、イラン軍がホルムズ海峡周辺で米艦艇に対してミサイル攻撃を実施し、報復の応酬が続いている。米側は被害を否定しているものの、偶発的な衝突が全面衝突に発展する可能性も否定できない。

また、ホルムズ海峡を巡る緊張は原油市場にも影響を与えている。同海峡は世界の石油輸送の要衝であり、通航障害や軍事衝突が発生するたびに原油価格が大きく変動する。市場関係者の間では、海上封鎖の長期化や戦闘再燃によってエネルギー供給が不安定化するとの懸念が広がっている。

CENTCOMは今回の攻撃について「封鎖措置の履行と地域の安全確保のための限定的な行動」と説明している。イランとの和平協議が不透明な中、軍事的圧力の強化が事態の沈静化につながるのか、それともさらなる対立を招くのか、国際社会が注視している。

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