国連調査団、米のイラン攻撃に「戦争犯罪」の合理的根拠、イラン政府のデモ弾圧は「人道に対する罪」
米国とイラン双方はこれまで人権侵害などの指摘を否定しており、報告書の内容をめぐる国際的な議論は今後も続くとみられる。
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国連のイランに関する独立国際事実調査団(FFM)は17日、2026年2月末に米軍がイランで実施した2件の攻撃について、戦争犯罪に当たると判断する「合理的な根拠」があるとする報告書を公表した。同時に、イラン政府による抗議デモへの弾圧についても、民間人に対する組織的な攻撃に当たり、人道に対する罪を構成したと指摘した。報告書は今後、ジュネーブの国連人権理事会に提出される。
米軍による攻撃の一つは、イラン南部ミナブの小学校を標的としたものだ。イラン当局によると、この空爆で150人以上が死亡し、そのうち約120人が児童だった。調査団は学校を明確な民間施設と認定し、軍事目的で使用されていたことを示す証拠は確認できなかったとしている。さらに、米側が学校を軍事目標として十分に確認せず、民間施設を攻撃する相当な危険を認識しながら攻撃したと判断した。
もう一件はラメルドのスポーツ施設への攻撃で、周辺の住宅や学校にも被害が及び、民間人22人が死傷した。調査団はいずれの攻撃も無差別攻撃に当たり、国際法上の戦争犯罪に該当すると結論付けた。一方、米中央軍(CENTCOM)は3月、ラメルド市内への攻撃を実施していないと説明し、米政府はこれまで軍事作戦が武力紛争法に従って行われているとしている。
一方、イラン政府について調査団は、2025年12月下旬から始まった全国的な抗議デモへの対応も調査した。その結果、治安当局による殺害、拷問、恣意的拘束、拉致、表現の自由への重大な制限などが広範かつ組織的に行われたと指摘した。公式発表では死者3038人、負傷者2万5000人とされているが、調査団は実際の死傷者数はこれを大きく上回る可能性があるとしている。
国連調査団は司法機関ではないため、今回の報告書自体が刑事責任を確定させたり、訴追を開始したりするものではない。ただ、調査結果は各国の司法機関や国際刑事裁判所(ICC)などによる将来的な捜査で利用される可能性がある。
米国とイラン双方はこれまで人権侵害などの指摘を否定しており、報告書の内容をめぐる国際的な議論は今後も続くとみられる。
