◎オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。
クルド人武装勢力の兵士(Getty Images)

トルコの国営テレビは25日、クルド人武装勢力を支持するメディアの記者11人が逮捕されたと報じた。

報道によると、警察は親クルド派のメゾポタミア通信社の編集長と記者8人、もう1社の記者2人の自宅や事務所に押し入ったという。

この取り締まりは物議を醸している偽情報発信者を逮捕する法律が施行されてから数日に行われた。

国会は先々週、報道とソーシャルメディアに関する法律の改正案を賛成多数で可決した。

法律の中で最も物議を醸している第29条は、「国内外の安全保障や公の秩序などついて、国民の不安・恐怖・パニックを引き起こす目的で真実に反する情報を広めた場合、3年以下の禁固刑を科す」としている。

メゾポタミア通信社などによると、警察は首都アンカラやイスタンブールなどに拠点を置く記者の自宅を踏み荒らし、パソコンを奪ったという。

国家警察はツイッターに声明を投稿。「容疑者たちは憎悪や敵意を煽るニュースを発信したため、連行された」と報告した。

アンカラ警察は、「メゾポタミヤ通信社はテロ組織に指定されている反政府武装組織クルド労働者党(PKK)を宣伝している」と非難し、今回の取り締まりを「対テロ作戦」と呼んだ。

トルコは世界で最も多くのジャーナリストを投獄している国のひとつであり、人権団体によると、少なくとも35人のメディア関係者が反テロ法に基づき投獄されているという。

政府はこの投獄について、「ジャーナリストたちは仕事ではなく犯罪行為で有罪判決を受けた」と主張している。

オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。PKKは1984年以来、トルコ国家に対する反乱を主導してきた。EUと米国もPKKをテロ組織に指定している。

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