◎タリバンは政権復帰後初となる公開処刑を7日に執行している。
旧タリバン政権のむち打ち刑(Getty-Images)

アフガニスタンを統治するタリバンは8日、不倫、窃盗、薬物犯罪などで有罪判決を受けた27人がむち打ちの刑に処されたと発表した。

タリバンの支配下に置かれる最高裁はシャリア(イスラム法)に基づき、男性18人、女性9人にむち打ち刑を言い渡した。

刑は東部パルワン州の広場で実施された。

地元メディアによると、27人はそれぞれ25~39回むちで打たれたという。また一部の被告には禁固2年も言い渡された。

タリバンのムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官によると、刑は地元住民と役人の監視下で執行されたという。

タリバンは政権復帰後初となる公開処刑を7日に執行している。

被告は5年前に男性を殺害し、携帯とオートバイを奪った罪で有罪判決を受けた。ムジャヒド氏によると、刑を執行したのは被害者の父親。被告は数百人の観衆が見守る中、アサルトライフルで銃殺された。

国連報道官は公開処刑に深刻な懸念を表明し、米国務省も非難声明を出した。

国務省のプライス(Ned Price)報道官は7日遅くの声明で、「米国とタリバンの今後の関係は、人権に関する問題を解決できるか否かにかかっている」と述べた。

タリバン政権を承認した国はまだない。

ムジャヒド氏は8日の会見で国際社会の批判に反発した。「アフガンはシャリアに基づく公正な裁判を行っています」

またムジャヒド氏は、米国を含む他の多くの国が死刑制度を維持していると指摘した。

タリバン指導部は昨年8月の政権奪取後、西側にシャリアが許す範囲で女性と少数派の権利を認めると約束した。

しかし、西側の警告もむなしく、タリバンは中等学校から女子児童を排除し、女性の就職を厳しく制限し、公共の場でのブルカ(全身を覆うイスラム教のヴェール)着用を強制。複数の州でむち打ち刑を執行している。

西側はタリバンが女性の権利を含む基本的人権を保障しない限り、本格的な援助は行わないと示唆している。

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