◎タリバンは首都カブールの北に位置するパンジシール州を占領したと宣言した。
2021年9月2日/アフガニスタン、パンジシール州のレジスタンス兵(ロイター通信)

9月6日、タリバンは首都カブールの北に位置するパンジシール州を占領したと宣言した。

パンジシール州はアフガニスタンで最も小さい州のひとつであり、地域を取りまとめる民族レジスタンス戦線(NRF)は1980年代のソビエト侵攻で勝利を収め、1990年代後半にはタリバンも打ち負かした。

タリバンはパンジシール州と思われる場所でタリバンの旗を掲げる様子をソーシャルメディアに投稿した。

しかし、NRFの指導者であるアフマド・マスード氏は6日、ソーシャルメディアに投稿した声明の中で、「戦闘は終わっておらず、私たちは戦い続けている」と述べ、タリバンに対する国民蜂起を呼びかけた。

またマスード氏は、タリバンを合法化し、政治的信頼を与えようとしている国際社会を非難した。「私たちNRFはアフガニスタンの尊厳、自由、繁栄のために全国規模の国民蜂起を開始するよう呼びかけます...」

タリバンは8月15日に首都カブールを占領し、西側諸国の支援を受けた旧政府は解体された。首都陥落前に国外に逃亡したアシュラフ・ガニー大統領は、国民と兵士を置き去りにしたと厳しく非難されている。

パンジシール州の報道官は5日、ロイター通信の取材に対し、「タリバンは後退している」と述べていた。

しかし、タリバンのザビフラ・ムジャヒド報道官は6日の声明で、「パンジシール州の勝利でアフガニスタンは泥沼の戦いから脱却した」と語った。

タリバンは政権奪取以来、女性の権利を認め、より寛容な政府を形成すると主張してきたが、国内の一部地域では民間人に対する残虐行為と抑圧が報告されている。

国内にとどまった多くの女性が1990年代の残酷な統治に戻ることを恐れている。当時、女性はブルカ(イスラム教の女性用ヴェール)の着用を余儀なくされ、イスラム法を犯した者はムチで打たれ、その場で処刑されることも珍しくなかった。

現地メディアによると、タリバンの戦闘員と思われる男が妊娠していた警察官のパヌ・ネガー氏を射殺したという。しかし、タリバンは関与を否定し、事件を調査していると主張した。

首都カブールやバルフ州の州都マザーリシャリーフを含む都市では、女性の権利を訴える抗議デモが開催された。

マザーリシャリーフのデモに参加した女性はロイター通信の取材に対し、「タリバンの戦闘員に脅されました」と語った。「タリバンは私たちにイスラム法を守れと命じ、侮辱し、デモをやめなければ殴り殺すと言いました...」

タリバンは新政府の体制をまだ発表していない。ザビフラ・ムジャヒド報道官は6日の記者会見で、「重要事項はすでに決定しており、当局者は現在、技術的問題の解決に向けた取り組みを進めている」と語った。

一方、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は旧アフガン政府とタリバンの仲介を務めたカタールを訪問し、米軍の撤退任務に対する支援に謝意を示した。

ブリンケン国務長官はカタールの政府高官と会談し、カブールの国際空港再開を含むアフガニスタンの問題と現状について協議すると伝えられている。

今回の訪問に同行した米国務省の当局者は、アフガニスタンにとどまっていた米国民4人を陸路で避難させたと発表した。この避難に関する詳細情報は明らかにされていないが、当局者は、「タリバンは避難を認識していた」と強調した。

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