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シリア首都で自動車爆弾が爆発、兵士1人死亡、18人負傷

爆発は旧市街に近い地区で発生し、黒煙が立ち上った。
2026年5月19日/シリア、首都ダマスカス、爆発した自動車(ロイター通信)

シリアの首都ダマスカスで19日、国防省関連施設の近くに止められていた車が爆発し、兵士1人が死亡、少なくとも18人が負傷した。爆発は旧市街に近い地区で発生し、黒煙が立ち上った。負傷者の中には兵士だけでなく民間人も含まれており、救急隊が市内の病院へ搬送した。国防省は声明で「テロ行為」と非難し、治安部隊が捜査を進めている。

国防省によると、兵士らは爆発直前、施設付近で発見された別の爆発物を解体していた。その最中、近くに停車していた車が突然爆発したという。爆発の威力は大きく、周辺の車両や建物にも被害が及んだ。国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、救急当局は兵士1人の死亡を確認し、18人の負傷者が病院に搬送されたと説明した。現時点で犯行声明を出した組織は確認されていない。

ダマスカスでは内戦期から政府施設を狙った爆弾攻撃が繰り返されてきた。2012年には国家安全保障本部で爆弾テロが発生し、国防相や当時のアサド(Bashar al-Assad)大統領の義兄ら政権中枢幹部が死亡した。また2012年5月には軍情報機関施設近くで連続自動車爆弾テロが起き、50人以上が死亡した。今回の爆発は当時ほどの規模ではないが、首都中心部で再び爆弾攻撃が起きたことで、市民の間には不安が広がっている。

近年のシリアでは、過激派組織「イスラム国(IS)」が再び活動を活発化させている。ISは今月、東部ハサカで国軍部隊を襲撃し、兵士2人を殺害したと主張した。シャラア暫定政権は2024年末のアサド政権崩壊後に発足し、国内統治の立て直しを急いでいる。しかし、各地では依然として武装勢力による襲撃が続いており、治安の安定には至っていない。

シリアでは長年の内戦によって治安機構やインフラが弱体化し、今回のような爆発事件が続いている。2008年には治安施設近くで自動車爆弾が爆発して17人が死亡したほか、レバノンの親イラン組織ヒズボラの幹部もダマスカスで車爆弾により暗殺された。今回の事件は内戦終結後もなおシリア社会に深く残る不安定さを改めて印象づける出来事となった。

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