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シリア・スウェイダ県の再統合計画、進展見られず=国連

スウェイダはドルーズ派が多数派を占める地域で、24年末のアサド政権崩壊後も中央政府との関係が不安定な状態が続いてきた。
2025年7月25日/シリア、南部スウェイダ県の通り(ロイター通信)

国連は22日、シリア南部スウェイダ県の安定化と国家への再統合を目指して策定された行程表について、開始から約9カ月が経過した現在も「進展は見られない」との認識を示した。スウェイダでは2025年にドルーズ派住民とアラブ遊牧民ベドウィン、政府勢力を巻き込む大規模な衝突が発生し、1700人以上が死亡したとされる。国連は地域の対立が依然として解消されておらず、シリアの国家統合に向けた課題が改めて浮き彫りになっていると警告した。

国連のシリア担当特使は国連安全保障理事会でスウェイダの現状について報告。25年9月に暫定政権と国際社会の支援を受けて開始された信頼醸成・再統合計画について、「進展はみられない」と述べた。同計画はドルーズ派武装勢力、ベドウィン部族、中央政府との関係修復を進め、治安回復と行政機能の正常化を図ることを目的としていたが、各勢力の不信感が根強く、具体的成果はほとんどないという。

スウェイダはドルーズ派が多数派を占める地域で、24年末のアサド政権崩壊後も中央政府との関係が不安定な状態が続いてきた。25年7月には宗派間対立が激化し、ドルーズ派武装勢力とベドウィン部族の衝突に国軍が介入したことで戦闘が拡大した。国連の調査では軍、ベドウィン、ドルーズのいずれもが国際法違反や戦争犯罪に該当する行為を行った可能性があるという。

スウェイダでは現在も誘拐や報復的な拘束が続き、治安情勢は不安定なままだ。さらにドルーズ派内部でも複数の武装勢力が対立し、統一的な交渉相手が存在しないことが問題を複雑化させている。一部には自治権拡大や事実上の分離を求める声もあり、国連はシリアの領土的一体性が脅かされる恐れがあると懸念を示している。

教育分野への影響も深刻だ。国連によると、スウェイダでは治安上の懸念や試験会場をめぐる対立から約1万3500人の学生が今月の全国統一試験を受験できなかった。これにより多くの生徒が2年連続で試験機会を失ったことになり、将来世代への影響も懸念されている。国連は仲介を試みたものの、関係者間の合意形成には至らなかった。

これに対し、スウェイダ県知事は進展が見られない主因について、ドルーズ派武装勢力の敵対的な対応にあると主張している。一方、ドルーズ派首長らは政府への不信感が強く、自衛のために武装を維持していると反論している。双方の主張は平行線をたどっており、和解への道筋は見えていない。

シリアではアサド政権崩壊後の政治移行も遅れている。暫定議会の整備や国家機関の再建は道半ばで、少数派地域との関係改善も進んでいない。スウェイダ情勢の停滞は、新生シリア政府が国家統合と安定化を実現できるかを占う試金石となっている。国際社会は対話の再開と包括的な和解プロセスの推進を求めている。

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