イスラエル軍、ガザ地区を空爆、7人死亡、ハマス幹部が標的
イスラエル軍が標的にしたのは、ハマスの軍事部門「カッサム旅団」を率いるアル・ハダド(Izz al-Din al-Haddad)司令官である。
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イスラエル軍は15日、パレスチナ・ガザ地区でイスラム組織ハマスの軍事部門トップを標的とする大規模空爆を実施したと発表した。ガザの医療関係者によると、この攻撃により少なくとも7人のパレスチナ人が死亡、50人が負傷した。死者の中には子ども1人と女性3人が含まれているという。停戦合意後も続く緊張状態の中で行われた今回の攻撃は、イスラエルとハマスの対立が依然として収束から遠いことを改めて示す形となった。
イスラエル軍が標的にしたのは、ハマスの軍事部門「カッサム旅団」を率いるアル・ハダド(Izz al-Din al-Haddad)司令官である。イスラエル政府は同氏を、2023年10月7日に発生したハマスによる越境攻撃の中心的人物の一人と位置付けている。ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相とカッツ(Israel Katz)国防相は共同声明で、「数千人のイスラエル市民と兵士の殺害、拉致に責任を負う人物だ」と非難し、今後も関係者への攻撃を継続する姿勢を強調した。ただし、空爆後の時点でアル・ハダド氏の生死は確認されておらず、ハマス側も声明を出していない。
攻撃はガザ市中心部の地区で行われた。現地ではアパートと車両が爆撃を受け、建物の一部が激しく崩壊した。映像には、瓦礫の下から住民が負傷者を救出する様子や、煙が立ち上る市街地の光景が映し出されている。ガザ当局によると、攻撃前に住民への避難警告は出されておらず、多数の家族が建物内にいたという。住民からは「突然の爆発だった」「夜になっても救助活動が続いた」との証言が相次いだ。
今回の空爆は2025年10月に米国仲介で成立した停戦合意以降、最も重要なハマス幹部への攻撃とみられている。停戦後もガザでは断続的な衝突が続いており、イスラエル軍はハマスが再武装や戦力再編を進めていると主張してきた。一方のハマス側はイスラエル軍による空爆や地上作戦が停戦違反に当たると反発している。ここ数週間もイスラエル軍による攻撃で複数のパレスチナ人が死亡し、停戦は極めて不安定な状態に置かれている。
2023年10月に始まった戦闘では、ハマス側の攻撃によりイスラエルで約1200人が死亡、250人以上が人質として連れ去られた。これに対し、イスラエルはガザ地区で軍事作戦を展開し、ガザ保健当局によると、これまでに7万人以上のパレスチナ人が死亡したとされる。停戦成立後も850人余りのパレスチナ人が、イスラエル側でも兵士4人が死亡している。
イスラエルは2023年の攻撃に関与したハマス幹部の排除を戦争継続の重要目標として掲げている。これまでにも最高指導者のハニヤ(Ismail Haniyeh)氏やシンワル(Yahya Sinwar)氏ら幹部が相次いで殺害され、アル・ハダド氏は現在残る最重要軍事指導者の一人とみなされていた。イスラエル軍は「10月7日の攻撃に関与した人物を最後まで追跡する」としているが、幹部暗殺が続くことで和平協議がさらに難航するとの懸念も強まっている。
ガザでは長期化する戦闘によって住宅や病院、学校などインフラの破壊が進み、人道状況が深刻化している。停戦後も空爆や銃撃が繰り返される中、住民の間では「平穏は戻っていない」との声が広がっている。今回の攻撃は中東情勢が依然として不安定であり、全面的な和平への道筋が見えていない現実を浮き彫りにした。
