イエメン情勢が急速に悪化、フーシ派とサウジが交戦、市民は紅海を渡りアフリカ側に避難

フーシ系メディアによると、サウジ軍は同日、紅海沿岸に近いハッジャ州や内陸部のタイズ周辺を空爆した。
2024年9月22日/イエメン、首都サヌア、フーシ派の戦闘員(Getty Images/AFP通信)

イラン戦争の影響がイエメンにも広がり、サウジアラビアと親イラン武装組織フーシ派の間で戦闘が激化している。両者は17日、イエメンとサウジの国境周辺などで相次いで攻撃を行い、イエメンでは戦闘を逃れた住民が小型船で紅海を渡ってアフリカ側へ避難している。

フーシ系メディアによると、サウジ軍は同日、紅海沿岸に近いハッジャ州や内陸部のタイズ周辺を空爆した。これに対しフーシ派はサウジ領内に向けてミサイルや無人機(ドローン)による攻撃を続けている。サウジ当局は、西部の都市タイフ上空で迎撃したドローンの破片によって、国内に住むイエメン人1人が死亡したと発表した。これまでのフーシ派による攻撃では、サウジ国内で80人以上が負傷したとしている。

戦闘の拡大によって、住民の避難も急増している。国際移住機関(IOM)によると、今回の戦闘で10万人を超えるイエメン人が避難を余儀なくされた。紅海沿岸の集落から小型船で対岸のジブチへ逃れた住民もおり、食料などの生活物資をほとんど持たないまま海を渡るケースも出ている。

フーシ派はこの1週間でイエメンの紅海沿岸地域を制圧し、紅海とアデン湾を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡周辺でも影響力を拡大している。同海峡は世界の海上輸送の要衝であり、ホルムズ海峡が大きく制限されている現在、湾岸産油国から世界市場へ石油を運ぶ主要ルートの一つとなっている。

フーシ派の最高指導者アブドゥルマリク・フーシ(Abdul Malik al-Houthi)氏は18日、サウジに対して「封鎖と占領」をやめるよう要求した。一方、サウジはフーシ派への軍事的対応を強めているものの、トランプ米政権はサウジからの軍事支援要請に応じていない。トランプ(Donald Trump)大統領はイランとの戦争について、終結に近づいているとの認識を示している。

イエメン内戦の拡大は、人道危機だけでなく世界のエネルギー供給にも影響を及ぼす可能性がある。ホルムズ海峡に加えてバブ・エル・マンデブ海峡周辺の安全も損なわれれば、湾岸地域からの原油輸送がさらに制約され、原油価格や燃料価格への上昇圧力が強まることになる。

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