SHARE:

パキスタン、イランにフーシ派攻撃の抑制要求、サウジ反撃で中東戦争拡大に警戒感

パキスタンの警告が重みを持つのは、同国がサウジ・トルコとの間で防衛協力関係を築いているためだ。
2026年8月24日/イラン、首都テヘラン、ペゼシュキアン大統領(右)とパキスタンのムニール陸軍参謀長(ロイター通信)

パキスタン政府は9日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派によるサウジアラビアへの攻撃を抑えるようイランに警告した。サウジ政府からのメッセージをパキスタンがイランに伝えたもので、米国とイランによる攻撃の応酬が続く中、イエメンの戦線が中東全域に拡大するのを防ぐ狙いがある。ロイター通信がサウジ、パキスタン、イランの関係筋の話しとして報じた。

フーシ派は8日、サウジ南部の都市にある空軍基地や周辺の石油関連施設などをミサイルや無人機(ドローン)で攻撃した。サウジ当局によると、この攻撃で73人が負傷し、石油関連施設では火災や操業停止が発生した。フーシ派によるサウジへの攻撃としては、2月末に始まったイラン戦争以降、最大規模となった。

これに対しサウジ主導の連合軍は報復攻撃に踏み切った。フーシ派の報道官は9日、サウジ軍がイエメン各地に54回の空爆を実施したと明らかにし、報復を宣言した。サウジ側の反撃によって、イランと米国の対立を軸とする戦争が、サウジとフーシ派の戦闘を通じてイエメンに広がる懸念が強まっている。

パキスタンの警告が重みを持つのは、同国がサウジ・トルコとの間で防衛協力関係を築いているためだ。パキスタンのアシフ(Khawaja Mohammad Asif)国防相は9日、サウジへの攻撃が拡大すれば3カ国の「共同防衛協定」が発動する可能性を示し、「一国への侵略は3カ国すべてへの侵略とみなされる」と述べた。ただしパキスタン側は、軍事的関与が必要になった場合でもサウジ領内の防衛に限定し、イエメンでの戦闘には参加しないとの立場を示している。

一方、イラン側はフーシ派を直接支援していないと主張している。しかしロイター通信は複数のイラン関係筋から、イランがフーシ派にサウジ攻撃を促し、追加の資金や武器を提供したとの証言を得ている。

今回の危機は代理勢力を通じた戦闘がサウジ、パキスタン、トルコなど米国と関係の深い国々を結束させ、地域戦争をさらに拡大させる可能性を示している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ