フーシ派、イエメン紅海沿岸で攻勢、サウジの原油輸出に新たな脅威
フーシ派は声明で、紅海の航行について、「サウジを除く船舶の安全を保証する」と主張した。
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イエメンの親イラン武装組織フーシ派が10日、紅海沿岸で支配地域を拡大し、港湾都市モカを掌握した。さらに紅海南部のハニシュ諸島方面へ進軍し、紅海とアデン湾を結ぶ要衝バブ・エル・マンデブ海峡への影響力を強めている。同海峡は世界有数の重要な海上輸送路であり、今回の攻勢はサウジアラビアの原油輸出だけでなく、世界のエネルギー供給にも新たなリスクをもたらしている。
フーシ派は声明で、紅海の航行について、「サウジを除く船舶の安全を保証する」と主張した。サウジは世界最大の原油輸出国であり、イラン戦争によってホルムズ海峡の通航が制限される中、紅海経由の輸送は同国にとって重要性を増している。このためバブ・エル・マンデブ海峡までフーシ派の軍事的圧力が及べば、サウジ産原油の輸出ルートが大きく制約される可能性がある。
今回の事態は、イランと米国の対立が周辺国を巻き込んで拡大する中で発生した。フーシ派はイランが支援する「抵抗の枢軸」の一角で、これまでも紅海で商船を攻撃してきた。フーシ派は今回の軍事行動について、防衛的なものだと説明し、イエメンへの攻撃を停止すれば作戦を終えるとの立場を示している。
一方、サウジでは警戒が強まっており、フーシ派がさらに南下すれば、海峡の支配を巡る戦闘に発展する恐れがある。イエメン政府の部隊も海岸線を南へ移動し、海峡に近いドゥバブやペリム島周辺の防衛を強化している。これらの地域を押さえることは、バブ・エル・マンデブ海峡の通航を左右するうえで重要となる。
原油市場も同様している。ホルムズ海峡に加えてバブ・エル・マンデブ海峡まで不安定化すれば、原油タンカーの航行や保険料、輸送日数に大きな影響が出る。今回の情勢を受けて原油価格は急騰し、エネルギー供給への懸念が強まっている。
ホルムズ海峡とバブ・エル・マンデブ海峡という2つの要衝が同時に緊張状態となれば、イエメン国内の戦闘が世界の原油市場と海運網を揺るがす危機となる。今後、フーシ派が紅海沿岸でさらに勢力を拡大するのか、またサウジやその同盟国がどのように対応するのかが、中東情勢とエネルギー市場の焦点となる。
