米政府、エルサルバドル移民のTPSを当面維持、約17万人が対象
TPSは自然災害や武力紛争などによって自国への帰国が困難となった外国人に対し、米国内での滞在と就労を認める制度である。
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米政府は9日、エルサルバドル出身の移民に付与している「一時保護資格(TPS)」について、当面は保護を維持すると明らかにした。9日に期限を迎えたものの、国土安全保障省(DHS)は最終的な判断が発表されるまでTPS対象者の保護は継続すると説明した。最終判断の時期は示していない。
TPSは自然災害や武力紛争などによって自国への帰国が困難となった外国人に対し、米国内での滞在と就労を認める制度である。エルサルバドル出身者へのTPSは長年にわたって更新されてきたが、トランプ政権は移民政策の厳格化を進める中で、各国出身者へのTPS終了を相次いで決めている。
全米TPS連盟によると、米国には約17万人のエルサルバドル人TPS保有者がおり、そのうち約15万2000人が働いている。対象者は米経済に年間約54億ドル貢献しているとされ、TPSの終了は本人だけでなく、雇用主や地域経済にも影響を及ぼす可能性がある。
今回、政権が期限到来の段階で直ちにTPSを打ち切らなかったことで、対象者はひとまず米国内で生活し、働き続けることが可能となった。一方、政府は「適切な時期」にエルサルバドルのTPSについて発表するとしており、具体的な決定時期や、制度を恒久的に維持する方針を示したわけではない。対象者にとっては、法的な不安が解消されたとは言い難い状況が続く。
トランプ政権は不法移民の取り締まりと国外退去を強化する一方、移民制度についても申請手数料の引き上げやソーシャルメディア審査などを導入し、入国・滞在に対する審査を厳格化している。政権はこうした政策を国内の安全保障強化のためと説明するが、人権団体は適正手続きへの懸念を示している。
今回の決定はエルサルバドルTPS保有者に一時的な猶予を与えるものとなった。しかし、政権が最終的に制度を延長するか終了するかは不透明であり、約17万人の移民とその家族は今後も政策判断を注視する必要がある。
