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干ばつ被害のチャド、食料危機回避へ穀物輸出を禁止

国連食糧農業機関(FAO)によると、チャドでは7月から8月中旬にかけて雨がほとんど降らず、穀物の生育や収量に大きな影響が出た。
チャド共和国、荷物を運ぶ女性(Getty Images)

アフリカ中部・チャド政府は10日、深刻な干ばつと高温によって農作物の収穫量が落ち込んでいることを受け、国内の食料不足を回避するため、一部農産物の輸出を禁止すると発表した。政府は同時に、小麦、トウモロコシ、キビ、コメなどの輸入関税を免除し、国内市場への供給確保を急ぐ。

国連食糧農業機関(FAO)によると、チャドでは7月から8月中旬にかけて雨がほとんど降らず、穀物の生育や収量に大きな影響が出た。特に中央部、東部、北部が干ばつの被害を強く受けており、政府は農業生産への影響が深刻化していると認めている。

今回の措置では、キビ、トウモロコシ、コメ、ソルガム、小麦、綿実の輸出を禁止する。一方、小麦、トウモロコシ、キビ、コメに加え、家畜用飼料や農業機械については輸入関税と税を免除する。輸出を抑制して国内に農産物を残すとともに、海外からの食料や農業関連資材の流入を促す狙いだ。

政府はさらに、灌漑(かんがい)設備を利用した乾期作の拡大を農家に促す方針を示している。

現場では被害が深刻化している。シャリ・バギルミ州の農家は、トウモロコシ12ヘクタールが干ばつで壊滅したと証言し、異常な高温について政府から十分な警告がなかったと訴えている。牧畜地域でも水源となる小川や池が干上がり、家畜の体重減少や乳量低下が発生している。

世界食糧計画(WFP)は今年、6月から8月の食料不足期にチャドで300万人超が深刻な食料不安に直面すると警告していた。干ばつによる生産減少に加え、農村部の貧困や地域情勢の不安定さも重なれば、食料価格の上昇と供給不足がさらに進む可能性がある。

今回の輸出禁止は、農産物の国外流出を抑えて国内供給を優先する緊急措置である。ただ、干ばつそのものが長期化すれば、輸出規制だけでは供給不足を解消できず、灌漑農業の拡大や輸入、国際的な食料支援などを組み合わせた対応が不可欠となる。

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