◎サウジアラビアは先月末、レバノンの大使を国外に追放し、レバノンからの輸入を禁じる厳しい措置を講じた。
2021年11月12日/レバノン、ベイルートの議会議事堂、ジョージ・コルダヒ情報相(Hassan Ibrahim/Lebanese Parliament media office/AP通信)

11月12日、サウジアラビアとの外交関係を著しく悪化させたレバノンの情報相は、辞任で危機が解決するという保証を受けた場合のみ辞任すると述べた。

テレビ番組の元司会者であるジョージ・コルダヒ情報相は大臣就任前の8月に収録されたインタビューの中で、進行中のイエメン内戦を「無駄」と呼び、イエメンの大部分を支配するイスラム過激派組織フーシを擁護しサウジアラビアを激怒させた。

サウジ主導の連合軍は2014年以来、国際的に認められているイエメン政府と共にフーシ派と戦ってきた。

コルダヒ情報相は12日の会見でインタビューの発言は政府の公式見解ではないと述べ、サウジアラビアの圧力を非難した。

サウジアラビアは先月末、レバノンの大使を国外に追放し、レバノンからの輸入を禁じる厳しい措置を講じた。サウジアラビアの同盟国であるバーレーン、アラブ首長国連邦、クウェートもレバノンの大使を国外に追放している。

レバノンは過去150年の中で世界最悪のひとつと見なされている経済危機の真っただ中にあり、2019年の危機発生からわずか数カ月で貧困率は人口の50%を超え、通貨価値は暴落し、ハイパーインフレは国民の預金を紙屑に変え、失業率を前例のないレベルに押し上げた。レバノン政府はイスラム過激派組織ヒズボラの管理下に置かれている。

コルダヒ情報相は記者団に、「圧力を解消するとサウジアラビアが保証すれば、要求に応じる」と語った。ナジブ・ミカティ首相は先月末、コルダヒ情報に正しいことをするよう促していた。

一方、ヒズボラの最高指導者であるハッサン・ナスララ氏は11日の声明でサウジアラビアの要求に応じるべきではないと述べ、ミカティ首相に圧力をかけた。サウジアラビアはイランの核開発を後押しし、フーシ派を支援するヒズボラをテロ組織に指定している。

レバノンの国民は世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアと周辺国の懲罰的な制裁を恐れている。地元メディアによると、数十万人のレバノン人がサウジアラビアを含むアラブ諸国で働き、毎年数千万ドルをレバノンに送金しているという。

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