◎塩素ガスは目、皮膚、気道に対して腐食性があり、低濃度でも吸引すると肺水腫を起こし、高濃度になると死に至ることがある。
2022年6月27日/ヨルダン、南部アカバの港、貨物船から塩素ガスが放出する瞬間(Al-Mamlaka TV)

ヨルダン政府は27日、南部アカバの港に停泊していた貨物船上で塩素タンクが損傷、塩素ガスが発生し、少なくとも13人が死亡、250人以上が負傷したと発表した。

ヨルダン国営放送によると、事故を起こした貨物船ではクレーンを使って塩素タンクを積み込む作業が行われていたという。

政府は塩素タンクのひとつが貨物船上に落下し、ガスが噴出したと説明している。

塩素ガスは目、皮膚、気道に対して腐食性があり、低濃度でも吸引すると肺水腫を起こし、高濃度になると死に至ることがある。

国営放送はタンクが爆発し、黄色いガスが広がる様子を報じている。政府によると、被災した港湾労働者約200人が入院したという。

政府は当初、塩素ガスが漏れた可能性があると説明していたが、その後の調査で作業中のトラブルが事故につながったと訂正した。

国営放送は政府高官の話を引用し、少なくとも13人が死亡したと伝えている。別の地元メディアは被災した港湾労働者199人が病院で治療を受けていると報じた。

アカバの地元当局は住民に屋内にとどまり、窓やドアを閉めるよう呼びかけている。港から最も近い住宅地は25kmほど離れている。

アカバは紅海につながるアカバ湾に面するリゾート地で、イスラエルと国境を接している。

アカバの警察と消防は27日の声明で、「ガスが市内の住民に影響を与えたという報告は今のところ受けていないが、状況を注視している」と述べた。

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