◎容疑者は1月27日の「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」に合わせてテロを強行したと考えられている。
2023年1月27日/東エルサレムのシナゴーグ前、イスラエルのネタニヤフ首相(ロイター通信)

イスラエル当局は27日、占領下の東エルサレムのシナゴーグ前でパレスチナ人が銃を乱射し、7人が死亡、3人が負傷したと発表した。

事件は現地時間20時15分頃に発生。イスラエル警察は容疑者をその場で射殺した。

地元メディアによると、容疑者は東エルサレム出身のパレスチナ人男性。

警察の報道官は今回の事件を「近年最悪のテロのひとつ」と呼び、糾弾した。

報道によると、現場のシナゴーグにはユダヤ教の安息日の始まりを祈る人々が集まっていたという。

容疑者はシナゴーグ前で銃を乱射した後立ち去ろうしたが、警察に射殺された。

報道によると、警察は容疑者が使用したとされる白い車を押収したという。

ガザ地区を実行支配するイスラム過激派組織ハマスなどはこの攻撃を称賛したが、犯行声明を出した組織は確認されていない。

ヨルダン川西岸地区とガザのパレスチナ人は集会を開き、お菓子を配ってテロを称賛した。

目撃者によると、容疑者は警察に撃たれた後も反撃を試み、空に向かって銃を乱射した後、倒れたという。

一部メディアは近くのパレスチナ人居住区で大きな音が複数回聞こえたと報じている。イスラエル人とパレスチナ人が衝突したと伝えるメディアもある。

容疑者は1月27日の「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」に合わせてテロを強行したと考えられている。

イギリスのクレバリー(James Cleverly)外相はツイッターに声明を投稿。犠牲者に哀悼の意を表し、事件を糾弾した。「ホロコースト記念日に、しかも安息日中にシナゴーグの礼拝者を攻撃するとは、恐ろしいことだ...」

米政府も攻撃を非難している。国務省報道官は声明で、「米国はイスラエル国民と連帯する」」と述べた。

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は現地を視察し、怒りを表明した。

与党「リクード」と連立を組む超国家主義政党「ユダヤの家」のベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)治安相も攻撃を糾弾した。

地元の保守系メディアはベン・グヴィル氏を批判している。同氏は先月、イスラエルの治安を回復させると約束したが、連立政権発足後、パレスチナでは暴力事件が続発している。

イスラエル軍は26日、ヨルダン川西岸地区のジェニン難民キャンプを急襲し、民間人を含むパレスチナ人9人を射殺した。

この攻撃後、ガザ地区からイスラエルに向けてロケット弾が発射され、イスラエル軍は空爆で応戦した。

国連のデュジャリック(Stephane Dujarric)報道官は27日、「グテレス(Antonio Guterres)事務総長はイスラエルとパレスチナ占領地における暴力の激化を深く憂慮している」と声明を出した。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争で東エルサレムやヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設。国際社会はこの占領を認めていない。

パレスチナ自治政府は東エルサレムを首都とする国家の建設を目指している。

2021年5月22日/パレスチナ、ガザ地区、イスラム過激派組織ハマスの祝賀パレード(AP通信/John Minchillo)
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