◎イスラエル警察の暴力的な取り締まりでパレスチナ人14人が負傷した。
2021年5月21日/東エルサレムのアルアクサ・モスク(Mahmoud Illean/AP通信

イスラエル警察とパレスチナの礼拝者が4日、東エルサレムの聖地アルアクサ・モスクで衝突した。

AP通信によると、礼拝者たちはこん棒や石で武装し、モスク内に立てこもったという。警察は催涙ガス、スタングレネード、ゴム弾でパレスチナ人を打ち負かした。

パレスチナ保健省は声明で、「イスラエル警察の暴力的な取り締まりでパレスチナ人14人が負傷した」と非難した。

警察の取り締まり後、ガザ地区からイスラエルに向けて少なくとも9発のロケット弾が発射され、南部で空襲警報が鳴り響いた。

イスラエル軍によると、ロケット弾9発のうち5発を撃墜し、残り4発は開けた場所に着弾したという。ケガ人はいなかったようだ。

ガザ地区を実行支配するイスラム過激派組織ハマスは犯行声明を出していない。

ハマスの報道官はフェイスブックに声明を投稿。アルアクサ・モスクの取り締まりを非難し、「イスラム教の聖地を攻撃したイスラエルは大きな代償を払うことになる」と警告した。

2021年初頭に東エルサレムで発生したパレスチナ人とイスラエル警察の衝突はハマスとイスラエル軍の紛争に発展した。

今回の衝突はラマダンの礼拝を終えたパレスチナ人礼拝者たちがモスクに立てこもった後に始まった。

ソーシャルメディアで共有された動画には、モスクの中から花火を発射する礼拝者の姿が映っていた。イスラエル警察によると、礼拝者の投石攻撃で警察官1人が負傷したという。

別の映像にはパレスチナ人を警棒で殴りつける警察官が映っていた。

パレスチナ赤新月社(Red Crescent)によると、イスラエル軍は医療従事者がモスクに入るのを妨げているという。

ハマスは先週、過越祭を祝うユダヤ教徒がアルアクサ・モスクに入るのを防ぐために、モスクを占領するよう呼びかけていた。

アルアクサ・モスクはイスラム教だけでなく、ユダヤ教の聖地でもある。

地元紙タイムズ・オブ・イスラエルによると、今回の衝突はモスクの建物内でのみ発生したという。

ユダヤ人やその他の非イスラム教徒はアルアクサ・モスクの敷地内に入ることはできるが、祈ることはできない。しかし、パレスチナ人はイスラエル政府がモスクにユダヤ人を送り込み、占領を既成事実化しようとしていると非難している。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領した。

イスラエルは東側の旧市街を含むエルサレム全体を首都とみなしているが、国際社会はこれを認めていない。

東エルサレムは1948年の第一次中東戦争後にヨルダンの管理下に置かれたものの、1968年以降は東西ともイスラエルが事実上支配している。

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