◎イスラエル軍はこの1年半、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住区をほぼ毎日取り締まっている。
ヨルダン川西岸地区、イスラエル軍の兵士(Getty Images)

パレスチナの保健当局は5日、イスラエル軍がヨルダン川西岸地区のパレスチナ人居住区を急襲し、10代と20代の男性2人を殺害したと明らかにした。

イスラエル軍によると、治安部隊は北部の難民キャンプ内にある武装勢力の拠点を取り締まったという。武装勢力とみられる10代の少年らがこれに応戦し発砲、まもなく射殺された。

イスラエル軍はこの銃撃戦で兵士1人が負傷したと報告している。

イスラエル軍はこの1年半、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住区をほぼ毎日取り締まっている。パレスチナの過激派はこれに反発し、ユダヤ人に対する攻撃を強めている。

AP通信によると、イスラエル軍は5日早朝、西岸北部の都市近郊にある難民キャンプに突入したという。

軍は声明で「武装勢力が保管していた爆発物を回収し、拠点を取り壊した」と述べている。

ソーシャルメディアで共有された動画には、イスラエル軍のブルドーザーが過激派の拠点とされるコンクリート製の建物を破壊するところが映っていた。

軍はこの取り締まりの中で、「タイヤを燃やしたり爆発物を投げつけたりしたパレスチナ人も逮捕した」としている。

パレスチナ保健省によると、殺害された20代男性は頭部に銃弾を受けていたという。

ガザ地区に拠点を置くイスラム過激派組織「イスラム聖戦」は5日、この20代男性は同組織のメンバーであると声明を出した。

ヨルダン川西岸と東エルサレムで今年イスラエル軍に殺害されたパレスチナ人は180人を超えた。パレスチナ人の攻撃で今年死亡したイスラエル市民は30人超となっている。

イスラエル軍は殺害したパレスチナ人の大半が過激派の戦闘員と主張しているが、地元の活動家は取り締まりに抗議した非武装の若者や対立に一切関与していない市民が犠牲になっていると非難している。

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