◎この戦闘は今週勃発し、ガザ地区では女性や子供を含む少なくとも33人が死亡。イスラエル中部で70歳の男性が死亡した。
2023年4月6日/パレスチナ自治区、ガザ地区、イスラエル軍の空爆(Mohammed Salem/ロイター通信)

イスラエル軍は12日、イスラム過激派組織ハマスが実行支配するガザ地区を複数回空爆した。

西側・アラブ諸国の仲介による停戦協議は難航しているものとみられ、パレスチナ側からはイスラエル領に向けてロケット弾数十発が発射された。

パレスチナ保健省によると、12日の空爆でパレスチナ人2人が死亡したという。

イスラエル軍は声明で、イスラム過激派組織「イスラム聖戦(Islamic Jihad)」の上級司令官がいる施設を攻撃したと発表した。イスラム聖戦は声明を出していない。

報道によると、7階建てのアパートが空爆を受け、火災が発生したという。ソーシャルメディアで共有された動画には瓦礫の中から2人の遺体を運び出す人々の姿が映っていた。

この空爆から約12時間後、ガザ地区からイスラエルに向けてロケット弾が発射され、エルサレムでも空襲を知らせるサイレンが鳴り響いた。

西側とアラブ諸国は停戦に持ち込めると期待していたが、小康状態はあっさり破られた。

イスラエル軍とイスラム聖戦の戦闘は今週勃発し、ガザ地区では女性や子供を含む少なくとも33人が死亡。イスラエル中部で70歳の男性が死亡した。

イスラエル軍はイスラム聖戦の幹部5人を殺害し、ロケット弾や迫撃砲の発射場など、少なくとも215の標的を攻撃したと報告している。

イスラム聖戦はイスラエルの人口密集地に向けてロケット弾約900発を発射。イスラエル軍はその大半を防空システム「アイアンドーム」で撃ち落とした。

ハマスの管理下にある軍の兵士約3万人はこの戦闘に参加していないとみられる。ハマスはイスラエルとの停戦を維持し、ガザ地区の悲惨な生活状況を悪化させないよう努めている。

ハマスは2007年にガザ地区を掌握し、イスラム聖戦とは一定の距離を置いてきた。今回の戦闘は今年4月と昨夏の衝突に続くものであり、多くの市民が避難を余儀なくされた。

イスラエル軍は今回、空爆の標的をイスラム聖戦の施設に限定している。

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