◎バールベックの住宅地にミサイルが着弾し、ヒズボラの戦闘員とみられる2人が死亡した。
レバノン、イスラム教シーア派組織ヒズボラの支持者たち(Getty Images)

イスラエル軍が26日、レバノン東部ベカー高原にあるイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点を空爆したと発表した。

レバノン当局によると、バールベックの住宅地にミサイルが着弾し、ヒズボラの戦闘員とみられる2人が死亡したという。

バールベックは両国の国境から100キロほど離れている。

イスラエルのガラント(Yoav Gallant)国防相はこの前日、イスラム組織ハマスとの停戦が成立しても、ヒズボラへの攻撃は継続・強化すると言明していた。

ヒズボラはこのミサイル攻撃の直前、領内に侵入したイスラエル軍のドローンを撃墜したと主張していた。

26日午後、ヒズボラはバールベック空爆の報復として、イスラエルの占領地ゴラン攻撃にあるイスラエル軍の師団司令部に向けて60発のロケット弾を発射したと発表。

イスラエル軍はその後、レバノン領内からゴラン攻撃に向けて数十発のロケット弾が発射されたと認めた。被害の有無は明らかになっていない。

レバノン当局によると、イスラエル空軍はバールベック近郊の集落を少なくとも3回空爆し、トラックの車列を破壊したという。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラはヒズボラ当局者の話しとして、「車列が攻撃を受けたことは事実である」と報じた。

それによると、この車列はヒズボラの支配下にある地域の市場で販売する食品を積んでいたという。

イスラエル軍のミサイルはこの食品を保管する倉庫にも着弾したとみられる。

ヒズボラはその後、この空爆で死亡したとされる2人の戦闘員の氏名と写真を公表した。

両国の競り合いが勃発した昨年10月8日以来、イスラエル軍の攻撃で死亡したヒズボラ戦闘員は200人を超えた。

アルジャジーラによると、非番のレバノン軍兵士もバールベック空爆に巻き込まれ、重傷を負ったという。

ヒズボラは空爆の約2時間前、南部の拠点上空に飛来したイスラエル軍のドローンを撃墜したと発表。ヒズボラがドローンに向けて発射したミサイルの一部はイスラエル軍に撃墜され、その破片がイスラエル北部ナザレ近くの町にあるシナゴーグに落下した。負傷者と被害は報告されていない。

イスラエル軍は声明で、「空軍の戦闘機がベカー高原にあるヒズボラ拠点を攻撃した」と発表。「ヒズボラがイスラエルのドローンに向けて地対空ミサイルを発射したことへの報復」と強調した。

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