◎イスラエルとヒズボラは2006年夏に1ヶ月に及ぶ戦争(レバノン侵攻)を繰り広げた仇敵である。
2024年9月24日/レバノン南部から避難する車列(Getty Images)

レバノン保健省は24日、イスラエル軍によるヒズボラ拠点への2日間の空爆による死者が569人に達したと明らかにした。

イスラエル国防軍(IDF)はこの2日間で、ヒズボラのロケット弾保管庫など、1600カ所以上を空爆したと報告している。

IDFの報道官は23日、ヒズボラをイスラエル国境から遠ざける必要があると強調。「そのために必要なことは何でもする」と述べ、さらなる空爆を示唆していた。

レバノン保健省によると、この空爆による負傷者は1600人を超えたという。

一方、パレスチナ・ガザ地区の保健当局は24日、IDFの新たな空爆で20数人が死亡したと明らかにした。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は4万1000人超、負傷者は10万人近くに達している。

レバノン通信によると、数万人がレバノン南部から車で逃げだし、首都ベイルートに続く幹線道路で大渋滞が発生中。2006年のレバノン侵攻以来の一斉避難となった。

ヒズボラは24日、IDFがベイルート南部郊外への攻撃で上級司令官を殺害したと主張した。

レバノンは先週、通信機器の一斉爆発に2度見舞われ、混乱状態にある。ヒズボラはイスラエルの犯行と断言しているが、イスラエルはコメントを出しておらず、否定も肯定もしていない。

IDFによると、ヒズボラは24日午後にもイスラエル領内に向けて約100発のロケット弾を発射したという。

IDFは24日、ヒズボラのものとみられるドローン3機が領内に侵入したことを確認。その数分後、レバノン国境から50キロほど離れた北部ハイファの海岸沿いの町で空襲警報が鳴り響いた。空軍はそのうち2機を撃墜したとしている。

IDFによると、レバノン側から24日に発射されたロケット弾は300発を超えたという。

IDFの報道官は24日、レバノンへの攻撃は継続すると強調した。

それによると、この2時間、空軍の戦闘機はレバノン南部の標的に対し、多数の大規模な攻撃を行い、ロケット発射装置や、武器を保管する施設などを破壊したという。

トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は24日、国連総会で演説し、イスラエルが国際法を踏みにじり、パレスチナで民族浄化を行っていると主張した。

またエルドアン氏は「ガザ地区でジェノサイド(集団殺害)が進行中であり、イスラエルはパレスチナ人の土地を一歩一歩占領している」と非難した。

イスラエルとヒズボラは2006年夏に1ヶ月に及ぶ戦争(レバノン侵攻)を繰り広げた仇敵である。

イスラエルは宿敵イランの支援を受けるヒズボラを国家安全保障の最大の脅威の1つとみなし、秘密裏に核開発を推し進めてきた。

イスラエルは核弾頭(地上発射型ミサイル)を80~100発保有していると推定されるが、その保有を認めたことは一度もない。

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