◎国連安保理は今週、イスラエルの入植を強く批判する決議案を採択した。
2023年2月23日/イスラエル、エルサレムの首相府、ネタニヤフ首相(左)と閣僚ら(Ronen Zvulun/Pool/AP通信)

イスラエルのネタニヤフ政権は23日、ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地に住宅7000戸以上を新たに建設する計画を承認した。

イスラエルの平和団体「ピースナウ(Peace Now)」によると、入植地の開発を協議する委員会は西岸地区の入植地にアパートや公営住宅など、約7100戸を建設する計画を承認したという。

国連安保理は今週、イスラエルの入植を強く批判する決議案を採択したばかりである。イスラエルの同盟国である米国は法的拘束力を持つ決議案を阻止した。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙などによると、米政府はイスラエル当局から「半年間は一方的な行為を控える」という確約を得たという。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争で東エルサレムやヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設した。国際社会はこの占領を認めていない。

パレスチナ人は東エルサレムを首都とするパレスチナ国家の建設を目指している。

新たな建設計画承認は米政府の主張と矛盾しているように見える。ホワイトハウスはネタニヤフ政権の入植拡大政策がパレスチナとの和平に向けた取り組みを損なっていると何度も批判しているが、それを止めるための措置は講じていない。

ピース・ナウによると、委員会は来月、東エルサレム東部のE1と呼ばれる地域の開発計画について協議する予定だという。

米国は以前、E1の開発計画を阻止したことがある。この計画は西岸地区を大きく二分するもので、多くの専門家がパレスチナ国家の建設を不可能にすると批判している。

ピース・ナウによると、約5200戸の住宅が計画の初期段階にあり、残りは近い将来、建設に向けた調査工事を開始する予定だという。さらに、この地域に4つの前哨基地を建設する計画も承認された。

ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は今週初め、米政府の要請に基づき、これ以上前哨基地は増やさないと表明した。

ネタニヤフ氏は今月初め、西岸地区にある既存の前哨基地10カ所をイスラエル政府の公式資産・公式領土と認めた。

ピース・ナウは声明で、「イスラエル政府は入植地を拡大しないと約束したわずか数日後にこれを覆し、米国の顔に唾を吐いた」と述べている。

米国家安全保障会議(NSC)は23日、この決定を批判したが、行動を起こすとは言及しなかった。

パレスチナ自治政府のアッバス(Mahmoud Abbas)議長の報道官は記者会見で米国に介入を要請した。「米国は地域の平和や安定につながらないこの侵略行為を止めなければなりません」

2023年2月23日/ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地(Mahmoud Illean/AP通信)
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