◎爆発物を搭載したドローンは11月7日の早朝に首都バグダッドのグリーンゾーン内にある首相宅を襲撃した。
2021年7月23日/イラク、バグダッドの政府庁舎、ムスタファ・アル=カーズィミー首相(Khalid Mohammed/AP通信)

イラクの現地メディアによると、武装ドローンがムスタファ・アル=カーズィミー首相の自宅を襲撃したという。

当局者はAP通信の取材に対し、「爆発物を搭載したドローンは11月7日の早朝に首都バグダッドのグリーンゾーン内にある首相宅を攻撃したが、首相に怪我はなかった」と語った。当局者によると、首相宅の警備員7人が負傷したという。

国営メディアが発表した政府の声明によると、ドローンはグリーンゾーン内の首相宅を狙っていたという。また、治安当局は暗殺未遂に関する情報収集を開始したと明らかにした。

国営メディアによると、犯行声明は今のところ確認されていないという。

一方、アル=カーズィミー首相は治安当局の活躍をツイートで称えた。「治安当局の不動の決意は、反逆者の爆弾攻撃程度ではびくともしません。私は元気です...」

地元メディアは当初、首相は負傷し病院に搬送されたと報じていた。

アル=カーズィミー首相は2020年4月まで情報庁長官を務め、その後首相に就任した。

反イラン民兵勢力は先月10日に行われた議会選挙の結果に抗議し、ここ数週間、グリーンゾーンの入り口付近で連日抗議デモを行っていた。

米国と国連安全保障理事会は先月の選挙を称賛した。選挙期間中、暴動や混乱はほとんど発生せず、投票と集計の技術的な問題も確認されなかった。

民兵勢力はグリーンゾーンの近くにテントを設置し、選挙結果を拒否したうえで、票の再集計を認めなければ行動を起こすと主張していた。

イラク政府は主にバグダッドと南部の州で蔓延している腐敗の撲滅、脆弱なサービスの改善、2019年の大規模な抗議に応え、投票日を数カ月前倒しした。また、一部の民兵勢力を通じて選挙に干渉しようとするイランを厳しく非難した。

議会選挙で329議席中73議席を獲得し第一党に躍進したムクタダー・アル・サドルは親イラン党である。アル・サドルは連立のパートナーを探しており、近いうちに新首相を指名する予定と伝えられている。

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