◎テヘランでは2年ほど前にクルド人女性のアミニさんがヒジャブを正しく着用していないという理由で道徳察官に暴行を受け死亡して以来、ヒジャブを着用しない女性が増えている。
2024年6月24日/イラン、首都テヘランの通り(Getty Images/AFP通信)

大統領選を控えるイランの首都テヘランでヒジャブ(イスラム教のスカーフ)を緩くかぶった女性や、かぶらない女性への取り締まりが強化されているようだ。

テヘランでは2年ほど前にクルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんがヒジャブを正しく着用していないという理由で道徳察官に暴行を受け死亡して以来、ヒジャブを着用しない女性が増えている。

アミニさんの死を巡る抗議デモは全国に拡大。治安部隊の取り締まりにより500人以上が死亡、2万人以上が逮捕された。

国連はアミニさんが道徳警察の暴力により死亡したと認定している。

現地メディアによると、2カ月ほど前から道徳警察がヒジャブを着用しない女性をパトカーに引きずり込む動画がSNSで出回るようになったという。

当局はヒジャブを着用しない女性を雇用する企業や小売店に対し、そのような女性にサービスを提供させないよう圧力をかけている。

改革派の大統領候補は最近、「道徳警察による新たな弾圧の波は、イランを再び暗闇に引きずり込むだろう」とSNSに投稿していた。

取り締まりは4月から強化され、道徳警察とともに黒いブルカ(全身を覆うローブ)に身を包んだ女性取締官がヒジャブを着用しない女性につかみかかる動画がネット上で拡散した。

警察はこの取り締まりに関する逮捕者数を公表しておらず、国営メディアも大きく取り上げていない。

それでも多くの女性がテヘラン市内を歩くとき、ヒジャブをゆるく着用したり、肩にかけたままにしたりしている。

AP通信はある女性の話しとして、「道徳警察にヒジャブを着用してくださいと注意されたが、その後、その警察官は”何でこんなことしなきゃならないのか”、”本当にウンザリしている”と嘆いていた」と伝えている。

公の場でヒジャブ着用を拒否する女性と、それを支持する人々に重い刑罰を科す法律は昨年施行された。

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