◎クルド人女性のアミニさんの死と道徳警察の暴力に抗議するデモはイラン指導部への挑戦に発展した。
イラン、首都テヘラン中心部、アミニさんの写真を掲げる女性(Getty Images/AFP通信)

スペイン外務省は10日、イラン国内で抗議デモに参加したスペイン人女性が逮捕されたと発表した。

報道によると、イランで逮捕されたスペイン人はこの1カ月で2人目。

在イラン・スペイン大使館は声明で、「関係機関および女性の家族と連絡を取り合っている」と報告した。同大使館によると、女性は24歳。

首都テヘランでクルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんが殴り殺された事件に抗議するデモは7週目に突入した。

アミニさんは9月13日、テヘランを訪問中にヒジャブ(スカーフ)を適切に着用しなかったという理由で道徳警察に殴られ、パトカーに頭を叩きつけられ、車内で暴行を受け、昏睡状態に陥り、3日後に死亡した。

イラン指導部は事件を「不幸な事故」と呼び、最高指導者のハメネイ(Ali Khamenei)師は米国とイスラエルがデモに関与していると主張。ライシ(Ebrahim Raisi)大統領は米国を「大悪魔」と呼び非難した。

在イラン・スペイン大使館はまもなく開幕するFIFAワールドカップのためにマドリードからカタールまでトレッキングしていたスペイン人男性が先月初めにイラン国内で逮捕された事件にも対処している。

この男性が逮捕された理由は明らかにされていない。

一方、イタリア政府はイラン国内で抗議デモに参加し逮捕されたイタリア人女性が解放され、まもなく帰国すると発表した。

メローニ(Giorgia Meloni)首相はSNSに、「彼女は帰国する」と投稿している。

イタリアのメディアによると、この女性は先週、アミニさんの死に抗議するコメントをSNSに投稿し拘束されたという。

アミニさんの死と道徳警察の暴力に抗議するデモはイラン指導部への挑戦に発展した。

ノルウェーに拠点を置く人権団体イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)などによると、治安部隊の攻撃でこれまでに民間人少なくとも328人が殺害され、数万人が負傷し、1万4825人が拘束されたという。

イラン、首都テヘラン、道徳警察の暴力に抗議するデモ(Getty-Images)
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