◎イスラエルは長年、イランの軍事施設や核関連施設への攻撃を繰り返してきた。
シリア、首都ダマスカス近郊(Getty Images)

国営イラン通信(IRNA)は29日、中部イスファハンの軍事施設がドローンによる攻撃を受けたと報じた。

IRNAによると、ドローンは28日遅くに飛来し、施設の屋上に損傷を与えたという。IRNAは国防省の声明を引用し、「軍の防空システムがドローン3機を撃墜した」と報じている。

イスファハンは首都テヘランの南方約340kmに位置する。

同省は撃墜したドローンの詳細と誰が攻撃に関与しているかについては言及していない。

さらにIRNAは北西部タブリーズ近郊の工業地帯にある製油所で火災が発生したと報じた。出火原因は明らかになっておらず、消火活動が続いているようだ。

イスラエルは長年、イランの軍事施設や核関連施設への攻撃を繰り返してきた。

イスラエル軍はイランやシリアのアサド(Bashar al-Assad)大統領が支配下に置く地域などを数百回攻撃してきたが、作戦を実行したと認めたことはほとんどない。

しかし、イスラエル軍はアサド政権とつながりのあるイランの民兵やレバノンのイスラム過激派組織ヒズボラなどを攻撃していることはおおむね認めている。

テヘラン近郊パルチンにある国防軍需省の研究施設では昨年、原因不明の爆発事故が発生し、技術者と職員が死傷した。同省は爆発を事故と説明したが、詳細は明らかにしていない。

パルチンには軍事基地がある。国際原子力機関(IAEA)はこの事故について、「核兵器に転用可能な爆発物の実験を行っていた可能性がある」という見方を示していた。

2021年4月には中部ナタンズのウラン濃縮施設が攻撃を受けた。イラン政府はイスラエルの犯行と主張したが、イスラエルはこの攻撃に関する声明を一切出さなかった。

イスラエルの地元メディアはナタンズの攻撃について、「情報機関がサイバー攻撃を仕掛け、核施設に広範な停電をもたらした」と広く報じた。

イスラエルは自国の特殊部隊や諜報機関モサドが行った作戦を認めたことはほとんどない。

イランは2020年、著名な核科学者ファクリザデ(Mohsen Fakhrizadeh)氏が暗殺された事件にイスラエルが関与していると主張した。この事件も未解決である。

モフセン・ファクリザデ氏の葬儀(ロイター通信)
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