イラン、米国の新たな制裁計画を非難、緊張緩和の兆し見えず
イラン外務省は今回の制裁計画について、国際法に反する措置だと非難した。
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イランは22日、米国が近く発表する予定の新たな対イラン制裁を改めて強く非難した。米国のベッセント(Scott Bessent)財務長官は20日、イランに対して「史上最も厳しい制裁」を科す方針を表明し、詳細を24日に発表するとしている。トランプ(Donald Trump)大統領もイランを支援する第三国に経済的な結果をもたらすと警告しており、両国の対立は軍事衝突が収まった後も経済面で激しさを増している。
イラン外務省は今回の制裁計画について、国際法に反する措置だと非難した。イラン側は米国による経済的圧力を「経済テロ」と位置付け、一般市民の生活をさらに苦しくするものとしている。イランのガリバフ(Mohammad Bagher Ghalibaf)国会議長も制裁に対抗するため、経済面での自立と周辺国との協力を強化する必要があるとの考えを示した。
今回の制裁強化の背景には、2月末に始まった戦争と、その後の対立がある。大規模な戦闘が停止した後も、両国は正式な和平交渉には入っておらず、軍事的な緊張と敵対的な発言が続いている。米国側は制裁によってイラン経済への圧力を最大化し、軍事行動に頼らずにイラン指導部へ譲歩を迫る狙いだ。
特に焦点となっているのが原油輸出である。イランは原油収入への依存度が高く、米国はすでに石油産業や海運網などを対象に厳しい制裁を科している。中国はイランから輸出される原油の8割以上を購入しているとされ、米国が制裁をさらに強化すれば、中国企業や金融機関などへの「二次制裁」に発展する可能性もある。
イラン国内では経済への影響がすでに表れている。戦争やインフレ、貿易の混乱によって多くの企業が厳しい状況に置かれており、新たな制裁による物価上昇や供給不足への懸念が強まっている。イラン政府にとっては、経済的な困窮が国民の不満や社会不安を再燃させるリスクも無視できない。
さらに、世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡も緊張の焦点となっている。イランは米国との暫定合意(覚書)の条件が満たされるまで海峡を閉鎖すると主張してきた。海峡の緊張が長期化すれば、原油価格や世界の物流にも大きな影響が及ぶ。
軍事衝突の再拡大を避けながら経済制裁を強化する米国と、制裁への抵抗を続けるイラン。両国は現在、銃撃戦こそ停止しているものの、和平交渉にも進めない状態にある。新たな制裁の内容と、それに対するイランや中国などの反応が、今後の中東情勢と世界のエネルギー市場を左右することになりそうだ。
