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イラン政府、ホルムズ海峡の封鎖を宣言、米空爆への対抗措置

今回の措置は米軍がホルムズ海峡周辺のイラン軍防空施設やレーダー設備に対して実施した空爆への報復として発表された。
ホルムズ海峡(Getty Images)

イラン政府は10日、米軍による新たな空爆への対抗措置として、「ホルムズ海峡の封鎖」を発表した。中東情勢は急速に緊迫化しており、原油や液化天然ガス(LNG)の主要輸送ルートが遮断されることで、世界のエネルギー市場や国際物流に深刻な影響が及ぶ懸念が高まっている。

今回の措置は米軍がホルムズ海峡周辺のイラン軍防空施設やレーダー設備に対して実施した空爆への報復として発表された。米側はイランが米軍の攻撃ヘリコプターを撃墜したほか、中東地域の米軍基地に対するミサイル・ドローン攻撃を行ったことへの自衛的対応だと説明している。一方、イランは米軍の攻撃を「主権侵害」「戦争犯罪」に相当すると非難している。

ホルムズ海峡はペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ戦略的要衝であり、平時には世界の海上輸送原油の2割が通過する重要航路である。2月末以降、米イスラエウ・イランの軍事衝突激化に伴い通航が大幅に制限されていたが、今回の発表によって事実上の全面封鎖へと踏み込んだ形となった。イラン当局は今後すべての商船やタンカーに対して新たな通航条件を適用するとしており、航行の自由をめぐる対立はさらに深まる見通しである。

市場は即座に反応した。国際原油価格は上昇し、中東各国の株式市場も不安定な値動きを示した。投資家の間では、原油供給の停滞や輸送コストの上昇が世界的なインフレ圧力を強めるとの懸念が広がっている。特にエネルギー輸入への依存度が高い欧州やアジア諸国では、燃料価格の高騰が経済成長を下押しする可能性が指摘されている。

トランプ(Donald Trump)米大統領は10日、「必要であればイランを激しく攻撃する」と警告する一方、外交交渉による事態収拾の可能性にも言及した。しかし、イランは米国との間接的な協議を停止しており、双方の立場の隔たりは依然として大きい。カタールやオマーンなど地域諸国は仲介を続けているものの、停戦協議の先行きは不透明である。

専門家の間では、ホルムズ海峡をめぐる対立が長期化した場合、1970年代の石油危機に匹敵するエネルギー供給ショックが発生する可能性も指摘されている。中東情勢は軍事衝突と外交交渉が並行して進む不安定な局面に入った。国際社会は事態のさらなる悪化を防ぐため緊張緩和への働きかけを強めている。

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