イエメン政府軍がフーシ派を空爆、紅海沿岸とバブ・エル・マンデブ海峡巡り戦闘激化
政府軍によると、モカ周辺ではフーシ派の戦闘員や車両、兵器を攻撃したほか、モカとドゥバブを結ぶ道路でも軍事車両などを標的にした。
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イエメンで国際的に承認された政府と親イラン武装組織フーシ派の戦闘が激化している。イエメン政府軍は9月13日、紅海沿岸のドゥバブやモカ周辺でフーシ派の車両などを攻撃したと発表した。フーシ派は直前の攻勢で紅海沿岸の広い地域を掌握しており、政府側は失地回復を目指して反撃を強めている。
フーシ派は9月11日までに紅海沿岸をほぼ掌握し、港湾都市モカも制圧した。さらに紅海とアデン湾を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡にあるマユン島にも進軍し、世界の海上輸送を支える航路への影響力を強めている。同海峡はスエズ運河につながる紅海南側の入口で、欧州とアジアを結ぶ海運に欠かせない要衝である。
政府軍によると、モカ周辺ではフーシ派の戦闘員や車両、兵器を攻撃したほか、モカとドゥバブを結ぶ道路でも軍事車両などを標的にした。モカはバブ・エル・マンデブ海峡から近く、フーシ派にとって紅海沿岸を支配する上で重要な拠点となっている。政府軍は住民に対してモカ周辺の主要道路を利用しないよう呼びかけており、戦闘による民間人への影響も拡大している。
これに対し、フーシ派はサウジアラビアへの攻撃を続けている。フーシ派は13日、サウジ南部の軍事基地にドローンとミサイルによる攻撃を行ったと主張し、サウジ側も国境地域で被害を確認した。サウジ連合軍も攻勢を抑えるため、フーシ派拠点などを空爆している。
今回の戦闘と混乱はイエメン内戦だけでなく、世界に波及している。イラン戦争によってホルムズ海峡の航行が不安定になる中、バブ・エル・マンデブ海峡までフーシ派の支配下に置かれれば、中東から世界市場へ向かう2つのエネルギー輸送路が同時に脅かされることになる。実際、サウジでは東西を結ぶ重要なパイプラインが攻撃を受け、停止に追い込まれている。
国連によると、今回の戦闘によって数万人規模の住民が避難を余儀なくされている。内戦は2022年の停戦以降、収束していたものの、フーシ派の攻勢によって再び大規模化した。政府軍が反撃を本格化させれば、イエメン国内の戦線だけでなく、サウジやイランを巻き込む地域紛争に発展する可能性がある。
バブ・エル・マンデブ海峡を巡る攻防は、世界のエネルギー市場と海運にも直結する。ホルムズ海峡の混乱と重なれば、原油価格や輸送コストの上昇を通じて世界経済への影響がさらに拡大する可能性があり、イエメン情勢は中東の新たな火種となっている。
