国連FAO「ホルムズ封鎖長期化で世界規模の食料危機に」
FAOは現在の事態を単なる物流混乱ではなく「農業・食料システム全体への衝撃」と位置づけ、今後6~12カ月以内に深刻な価格高騰が発生する可能性があるとしている。
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国連食糧農業機関(FAO)は20日、中東情勢の緊迫化を受け、ホルムズ海峡の封鎖が長期化した場合、世界的な食料価格危機につながる恐れがあると警告した。FAOは現在の事態を単なる物流混乱ではなく「農業・食料システム全体への衝撃」と位置づけ、今後6~12カ月以内に深刻な価格高騰が発生する可能性があるとしている。
ホルムズ海峡は世界の石油輸送の要衝であり、肥料原料や農業関連資材の輸送にも重要な役割を果たしている。とりわけ湾岸地域は世界の尿素肥料の大部分を生産し、海峡封鎖によって輸送が停滞すれば、肥料価格の急騰を招く。FAOは肥料不足が農家の作付け縮小や収量低下につながり、最終的に穀物や食品価格の上昇を引き起こすと分析している。
実際、FAOが公表する世界食料価格指数は4月まで3カ月連続で上昇しており、背景には中東情勢悪化によるエネルギーコスト増加がある。特に燃料価格の上昇は輸送費や農業機械の運用費を押し上げるため、農産物価格全体への波及が避けられない状況となっている。
影響は先進国だけにとどまらない。FAOは食料輸入への依存度が高い低所得国ほど打撃を受けやすいと指摘する。農家が高騰した肥料や燃料を購入できなくなれば、生産量が減少し、食料不足やインフレが同時進行する危険性が高まる。さらに、今年後半に予想されるエルニーニョ現象による干ばつや降雨不足が重なれば、農業生産への悪影響は一段と深刻になる可能性がある。
FAOは各国に対し、代替輸送ルートの確保や輸出規制の回避を急ぐよう呼びかけた。特に食料や肥料、エネルギー関連製品については輸出制限を設けないことが重要だと強調している。また、農家向けの緊急融資や支援金の迅速な支給体制を整備し、食料危機への備えを急ぐ必要があるとしている。
