◎アロウリ氏は57歳。ハマスの副政治局長を務め、昨年10月のイスラエルに対する奇襲攻撃を敢行したハマスの軍事部門カッサム旅団の創設者のひとりである。
2023年11月25日/レバノン、南部のイスラエル国境付近、国連レバノン暫定軍の車両(Hassan Ammar/AP通信)

パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスの幹部アロウリ(Saleh al-Arouri)氏がレバノン空爆で死亡した。現地メディアが2日に報じた。

それによると、イスラエル軍は2日夜、レバノンの首都ベイルート郊外にあるイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点をドローンで空爆し、アロウリ氏を含むハマス幹部ら6人を殺害したという。

イスラエル政府は現地メディアの報道を否定。「イスラエルはベイルートの爆発に関与していない」と主張した。

ハマスはイスラエルへの報復を誓い、同盟関係にあるヒズボラも「イスラエル軍はレバノン政府に宣戦布告した」と主張した。

レバノンのミカティ(Najib Mikati)首相も「イスラエルがレバノンをガザ紛争に引きずり込もうとしている」と非難声明を出した。

アロウリ氏は57歳。ハマスの副政治局長を務め、昨年10月のイスラエルに対する奇襲攻撃を敢行したハマスの軍事部門カッサム旅団の創設者のひとりである。

報道が事実であれば、イスラエルはガザ紛争勃発以来、初めてハマスの高官を殺害したことになる。

アロウリ氏はレバノンに滞在し、ハマスとヒズボラの連絡係になっていた。

イスラエル首相府は声明で同国が関与したとは明言せず、「誰がやったにせよ、これがレバノン政府に対する攻撃でないことは明らかだ」と強調した。「これはハマス指導部、テロリストに対する攻撃です...」

また同首相府は、「誰がやったにせよ、空爆した者はハマスへの不安を募らせていたのだろう」と述べた。

イスラエルはアロウリ氏がヨルダン川西岸地区におけるユダヤ人へのテロ攻撃を主導したと非難。米財務省は2015年、同氏を特別指定国際テロリストに指定。逮捕につながる情報に最大500万ドルの報奨金を出すとしていた。

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