◎ガザの保健当局によると、イスラエル軍の空爆・地上侵攻による死者は1万8000人を超え、4万9000人以上が負傷した。
2023年12月1日/パレスチナ自治区、ガザ地区南部の病院前(AP通信)

世界保健機関(WHO)と国境なき医師団(MSF)は10日、イスラエル軍の空爆と地上侵攻に直面するパレスチナ・ガザ地区の医療システムが「完全に崩壊している」という見方を示した。

MSFは10日の声明で、「イスラエル軍の避難命令により、1週間以上前にガザ中心部と南部の病院に対する支援を中止せざるを得なくなった」と明らかにした。

またMSFは「それ以来、現地で対応にあたる職員及び医療当局者はガザの医療システムが完全に崩壊している様をまざまざと見せつけられている」と述べた。

MSFはエジプトと国境を接する南部ラファについて、「数万人が支援を必要としているにもかかわらず、限られた医療サービスしか提供されていない」と嘆いた。

それによると、MSFのチームは9日、ラファ検問所近くに診療所を開設し、初日に130人以上の患者を治療したという。

MSFは国際社会に対し、紛争の即時停止と医療を必要としている避難民に支援を可及的速やかに提供するよう訴えた。

ある避難所では600人が1つのトイレを共有していると報告されている。MSFは衛生状態を改善しなければコレラなどの感染症が蔓延し、体力のない幼児や高齢者が命を落とす可能性があると警告している。

WHOは週末、ガザ中心部の病院に1500人分の必需品と手術用品を届けることができたと発表した。またWHOは19人の重症患者を移送することができたと明らかにしたが、移送先は不明である。

ガザの保健当局によると、イスラエル軍の空爆・地上侵攻による死者は1万8000人を超え、4万9000人以上が負傷したという。

イスラエル側では少なくとも1200人が死亡、約6900人が負傷している。イスラエル国防軍の死者は433人、うち104人が地上作戦開始後に死亡した。

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