◎トルコとギリシャの関係は同じNATO加盟国でありながら完全に冷え切っている。
2022年3月13日/トルコ、イスタンブールの政府庁舎、エルドアン大統領とギリシャのミツォタキス首相(Turkish Presidency/AP通信)

トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領が7日に隣国ギリシャを訪問し、ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相と会談する予定だ。

トルコとギリシャの関係は同じNATO加盟国でありながら完全に冷え切っている。エルドアン氏は今回の会談で建設的に話し合い、ウィンウィンな関係を構築したいようだ。

両首脳は合同閣議と貿易協議を管理・監督する、いわゆる「ポジティブ・アジェンダ」の一環として、新たな協力協定に署名する。

これはNATO加盟国同士の紛争を回避することを目的としている。

今年再選を果たした両首脳はそれぞれ経済に重点を置いた政策を推し進めている。

ギリシャは10年にわたる金融不安を乗り越え、成長に軌道に乗りつつある。一方、トルコは歴史的なインフレと通貨安に直面。隣国ギリシャとの関係改善は経済活動に良い影響を与えるだろう。

エルドアン氏は6日の記者会見で、「我々は意見に相違があることを理解している」と述べ、ミツォタキス氏との会談で両国の関係を良い方向に進めることができると自信を示した。

またエルドアン氏は「一度に解決できない深い問題もある」と述べたうえで、「解決に向けた基盤を拡大できると信じている」と強調。「私はウィンウィンな気分でアテネに向かうつもりだ」と述べた。

両国は地中海の鉱物資源や移民問題などで激しく対立している。

鉱物の問題ではトルコ側が権利を主張する一方、ギリシャは「トルコが領海に不法侵入し、採掘を試みている」と非難。この問題は国法法廷の場で争われることになりそうだ。

移民問題においては、「トルコが中東(シリアやアフガンなど)の移民をギリシャに送り出している」として、EUを巻き込んだ対立に発展。トルコ政府は「意図的に移民を地中海に送り出している」というギリシャの告発を否定している。

スポンサーリンク