◎トルコの人権はエルドアン政権下の20年間でひどく弱体化した。
トルコのエルドアン大統領(Burhan Ozbilici/AP通信)

トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は9日、世界人権宣言採択75周年を祝う演説で西側諸国を罵倒し、米国はイスラエル軍の蛮行を支持していると主張した。

エルドアン氏は演説の中でパレスチナ・ガザ地区の紛争に言及。「イスラエルは全人類に恥をかかせる大虐殺を行っている」と断じた。

またエルドアン氏は「イスラム恐怖症の西側諸国がイスラエルの蛮行を容認した結果、数万人が虐殺された」と述べた。

世界人権宣言は1948年12月10日のパリ国連総会で採択され、すべての人々の人権と自由の基準を謡ったものである。

エルドアン氏は「ガザで人道に背くおぞましい犯罪が繰り広げられており、国際機関や人権団体はイスラエルの侵略を防ぐために必要な措置を取っていない」と非難した。

またエルドアン氏はガザの人道的停戦を求める国連決議に米国が拒否権を行使したことに言及。「人類は米国が世界人権宣言を支持しているとは思わないだろう」と激しく罵った。「これは本当にひどいことです」

トルコの人権はエルドアン政権下の20年間でひどく弱体化した。

政府に批判的なメディア、人権活動家、LGBTQ+(性的少数者)は弾圧に直面。エルドアン氏は民主主義を弱体化させたとして、たびたび批判を浴びてきた。

トルコは女性に対する暴力の防止と撲滅を目的とした「イスタンブール条約」から脱退。イスラム教徒のエルドアン氏はそれを「馬鹿げたもの」と呼んでいる。

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