◎今年の大会はスウェーデン南部マルメで開催され、スイス代表のネモさんが優勝した。
トルコのエルドアン（Recep Tayyip Erdogan）大統領は20日、欧州国別対抗歌謡祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」を激しく非難し、「毎年このイベントがジェンダー平等を推進し、伝統的な家族を脅かしている」と主張した。
エルドアン氏は閣議後の会見でユーロビジョンの参加者を「トロイの木馬」と呼び、「2012年以来、このイベントに参加していない我々の決定は正しかった」と主張した。
今年の大会はスウェーデン南部マルメで開催され、スイス代表のネモ（Nemo）さんが優勝した。
ネモさんは自身を男性と女性のどちらとも考えない「ノンバイナリー」であると公言している。そうしたアーティストが優勝したのは初めてであった。
近年LGBTQ＋（性的少数者）の権利に寛容ではなくなったイスラム系与党・公正発展党（AKP）の党首であるエルドアン氏はネモさんの名前には言及せず、「このようなイベントで普通の人間と出会うことは不可能になった」と主張した。
またLGBTQ＋を「変態」と中傷したことがあるエルドアン氏は「過去12年間、トルコをこの不名誉な競争から遠ざけてきたことが、いかに正しい判断であったかを我々はよく理解している」と語った。
さらに、トルコにおける出生率の低下を「存亡の危機」と評し、「これはジェンダー平等がもたらした災いである」と主張した。
国家統計局は先週、昨年の出生率が女性1人あたり1.51人まで低下したと発表していた。
エルドアン氏は以前、「女性は少なくとも子供を3人産め」と呼びかけたことがある。
