◎タリバンの政令、特に教育とNGO禁止令は国際的な非難を浴びている。
アフガニスタン、首都カブール、ブルカを着用して取材に応じる女性(Getty Images/AFP通信)

国連は8日、世界で最も女性を抑圧する国はアフガニスタンであり、多くの女性と少女が基本的な権利を奪われていると発表した。

国連アフガン支援団のオトゥンバエワ(Roza Otunbayeva)氏は国際女性デー(International Women's Day)に合わせて声明を発表。「タリバンによる政権奪取以来、アフガンは世界で最も女性を抑圧する国になった」と非難した。

またオトゥンバエワ氏は「タリバンはほとんどの女性と少女を家に閉じ込めておく規則を推進している」と指摘した。

タリバンは2021年8月の政権奪取時、女性の権利を擁護すると国際社会に約束したが、まもなく方針を改め、旧政権を彷彿とさせる厳しい措置を数多く導入した。

少女は中等教育を受けられなくなり、女性は公園やジムなどの公共スペースへの立ち入りを禁じられた。

さらに女性は国内で活動するNGOへの就労を禁じられ、頭からつま先まで体を覆うブルカの着用を義務付けられている。

オトゥンバエワ氏は声明で、「タリバン政権下のアフガンは女性の権利に関して、世界で最も抑圧的な国である」と述べている。「女性や少女を公共の場から追い出そうとする彼らの計画的、意図的、組織的な攻撃を目の当たりにして、胸が痛くなりました...」

タリバンの政令、特に教育とNGO禁止令は国際的な非難を浴びている。

アフガンで人道支援に当たるNGOのほぼ全てが女性の力に頼っており、国際協力NGOケア・インターナショナル、ノルウェー難民協議会(NRC)、セーブ・ザ・チルドレンなどの主要NGOが活動停止を余儀なくされた。

しかし、タリバン指導部は「女性がヒジャブ(イスラム教のスカーフ)を正しく着用せず、男女の隔離規則が守られていないため禁止令を出さざるを得ない」と主張し、一歩も引く気配がない。

大学教育の禁止については、一部の科目がイスラム教の価値観にそぐわないとしている。

オトゥンバエワ氏はタリバンの禁止令を「自傷行為」と呼び、「禁止令が世界最大級の人道・経済危機を引き起こした」と断じた。

「一連の禁止令は女性や少女だけでなく、すべてのアフガン人を、今後何世代にもわたって貧困と援助依存に陥れることになるでしょう...」

旧タリバン政権のムチ打ち刑(Getty-Images)
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