◎アフガニスタンではここ数週間、各地でテロ攻撃が相次いでいる。
2022年4月29日/アフガニスタン、首都カブールのモスク近く(Ebrahim Noroozi/AP通信)

アフガニスタン政府は29日、首都カブールのモスクで自爆テロが発生し、少なくとも10人が死亡、20人が重軽傷を負ったと発表した。

内務省の副報道官によると、テロリストはカブール西部のモスクで現地時間午後2時頃に自爆したという。モスクは満員で数百人が金曜礼拝を行っていたと伝えられている。

カブール在住の30代男性はアルジャジーラの取材に対し、「弟が爆発で負傷したという知らせを受け、駆け付けた」と語った。

男性の弟は負傷したものの、命に別状はなかった。「モスクは満員だったそうです。皆血まみれでした...」

モスクの管理者によると、自爆テロ犯とみられる人物は礼拝の途中で自爆したという。管理者はアルジャジーラのインタビューの中で、「黒い煙が上がり、悲鳴が聞こえた。モスクに入ると遺体が散乱していた」と述べている。

タリバンによると、犯行声明は出ていないという。

モスク内にいた男性は、「大きな爆風が建物と人々を切り裂いた」と説明した。「私は爆弾からたまたま離れた場所で礼拝していたので助かりました。しかし、爆発の衝撃はすさまじく、一時的に耳が聞こえなくなりました...」

負傷者を受け入れた医療機関のひとつは、これまでに21人を受け入れ、そのうち2人の死亡を確認したと報告している。

別の医療機関の職員によると、少なくとも49人の負傷者を受け入れ、5人の遺体を収容したという。49人のうち10人は重体で、20人が火傷病棟に収容された。

タリバンの報道官は29日、テロ攻撃を非難し、関与した組織を処罰すると声明を発表した。

アフガニスタンではここ数週間、各地でテロ攻撃が相次いでいる。そのうちのいくつかはイスラム国(ISIS)の関連グループであるIS-K(ホラサン州のイスラム国)の犯行とされる。

タリバンは昨年8月の政権奪取以来、国の安全保障を確立し、ISISの分派をほぼ排除したと述べているが、国際機関やアナリストは紛争が再燃する可能性に懸念を表明している。

テロの多くが少数派のシーア派を標的にしている。スンニ派のモスクも攻撃を受けた。

28日には北部マザリシャリフでシーア派を乗せた2台のバンが爆破され、少なくとも9人が死亡した。先週金曜には北部クンドゥズ州のスンニ派モスクで爆弾が爆発し、33人が死亡している。

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