◎タリバンのアフガン征服は対外援助に依存していた国の経済を著しく弱体化させた。
2021年10月12日/アフガニスタン、ヴァルダク州の村(Felipe Dana/AP通信)

10月25日、国連の世界食糧計画(WFP)は数百万のアフガニスタン人がこの冬、飢餓に直面するだろうと警告した。

WFPのレポートによると、現時点で人口の半数以上にあたる約2,280万人が深刻な食糧不安に直面し、5歳未満の児童約320万人が急性栄養失調に苦しんでいるという。

WFPのデビッド・ビーズリー事務局長はレポートの中で、「アフガニスタンで進行中の食糧危機は世界最悪の人道的危機のひとつになった」と述べ、大惨事へのカウントダウンは始まっていると警告した。

タリバンのアフガン征服は対外援助に依存していた国の経済を著しく弱体化させた。世界銀行、国際通貨基金(IMF)、そして西側諸国は援助を停止し、米国はアフガニスタン中央銀行の資産を凍結した。

世界銀行によると、アフガニスタンはGDPの約40%に相当する援助を毎年受けていたという。

タリバン新政府は海外との取引や資産へのアクセスをブロックされており、資金繰りに苦労している。地元メディアによると、戦闘員や公務員はここ数カ月ほぼ無給で働いているという。

西部ヘラート州の教師はロイター通信の取材に対し、「最後に賃金を受け取ったのは5カ月以上前」と述べた。「人生は厳しいです。私は今、自宅近くの木を切り、薪を作って生計を立てています...」

AFP通信の取材に応じたカンダハール州の男性は、「通りのゴミ箱をあさっている女性や子供がたくさんいる」と述べた。「女性に事情を聞くと、他に食料を得る方法はないと言いました...」

WFPはレポートの中で、「人道支援に依存している数百万人は今年の冬、極めて厳しい状況に追い込まれる」と述べ、首都カブールを含む主要都市の住民ですら食料の確保に苦しんでいる警告した。

農村部コミュニティは干ばつや戦闘の影響で荒廃しており、都市部より食料の確保が難しいと伝えられている。

食糧農業機関(FAO)の屈 冬玉(くつ とうぎょく)事務局長は、本格的な冬が到来する前に人道支援を効果的かつ効率的に届けなければならないと述べた。「農民、女性、幼児、高齢者を含む数百万人が凍え、飢えています...」

WFPは9月、アフガニスタンの世帯の約95%がその日の食料の確保に苦労していると警告していた。また今月初めには、国内の児童少なくとも100万人が緊急治療を必要とする重度の急性栄養失調で死亡するリスクがあると警告した。

国連は9月のジュネーブ会議で、アフガニスタンに対する10億ドル(約1,100億円)以上の援助を確保したと発表した。しかし、WFPはレポートの中で、「人道支援プラグラムには予定していた額の3分の1の資金しか集まっていない」と述べ、国際社会にさらなる支援を呼びかけた。

アフガニスタンの食糧危機は深刻な干ばつと水不足の影響で悪化している。国連によると、この規模の干ばつは約4年ぶりだという。

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