◎スミスはビンタを謝罪し、アカデミー会員を退会している。
2022年3月27日/ロサンゼルスのドルビー・シアター、クリス・ロックを平手打ちするウィル・スミス(Chris Pizzello/AP通信)

アカデミー賞を運営する映画芸術科学アカデミーは8日、ビンタ事件の加害者であるウィル・スミスをアカデミー賞授賞式とその他のアカデミー行事から10年間追放すると発表した。

協会は声明の中で、「第94回アカデミー賞はスミスがステージ上で見せた容認できない有害な行為によって影を潜めた」と述べた。

スミスはビンタを謝罪し、アカデミー会員を退会している。

スミスはビーナスとセリーナ・ウィリアムズの父親を演じた映画「ドリームプラン(原題:King Richard)」で初のオスカーを獲得し、涙を流した。

ビンタされたクリス・ロックは被害届に興味を示さず、授賞式後のイベントでビンタをジョークに変えたと伝えられている。

スミスはロックが脱毛症に悩む妻にG.I.ジェーン2に出演しますか?」とジョークを言ったことに激怒し、ビンタを見舞った。

映画芸術科学アカデミーは8日にビンタ会合を開き、スミスの処分について協議した。

協会はスミスを10年間出禁にしたことについて、「出演者とゲストを保護し、アカデミーへの信頼を回復することを目的としている」と述べている。

また協会はビンタ事件が発生した後、適切に対応できなかったとして謝罪した。「職員は前例のない事態に対応できませんでした...」

さらに、異常な状況下で冷静さを保ったロックに感謝した。

スミス氏は退会挨拶の中で、「アカデミーの信頼を裏切った」と述べ、自らの行為に「心を痛めている」と謝罪した。

また、「私の行為に対するあらゆる結果を完全に受け入れる」と付け加えた。

ビンタ事件に関するアカデミーの懲戒審査は4月18日に予定されていたが、スミスの辞任を受け急遽行われることになった。

アカデミー会員を退会または除名された者はほとんどいない。

プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン(収監中)、俳優のビル・コスビー(釈放済)、監督のロマン・ポランスキー、撮影監督のアダム・キンメルの4人が性的不正行為事件または疑惑でブーイングを受け、俳優の故カーマイン・カリディは2004年の著作権侵害事件で除名された。

アカデミー理事会のメンバーである俳優のウーピー・ゴールドバーグは先月末、スミスは大きな結果に直面するだろうと予測したが、「オスカーを取り上げるつもりはない」と述べていた。

ビンタ事件後、ソニーとNetflixがスミスとのプロジェクトを一時停止している。

一方、ロックはコメディツアーを開始したものの、公の場ではコメントしていない。

ロックは先月のショーで、「何が起こったのかまだちょっと処理中」と述べ、ある時点でこの出来事について話すつもりだとファンに説明している。

ドリームプラン(King Richard)のワンシーン((Warner Bros. Pictures)
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